浜辺には打ち上げられた、毎日ほとんど無限に思われる生物の泣き笑いがある。
ヤドカリくんは、身に余る大きさのさざえを宿にしてしまったために身体を持ち上げられないようだ。よせて引く波に遊ばれて、すぐに砂に埋まる。もがいても動けないものは動けない。半分砂に埋もれていたのを取り上げて、海に投げておいた。
バルンガの破片である。はじめは海の藻屑かと思っていた。横に落ちていた貝をつついていたら水を吐き出すのを目撃した。ちゅー! 多分伊豆の方でウルトラマンとの戦いに敗れ、スペシウム光線によって爆破されたのだと思われる。
流れ着いた破片が鎌倉の浜辺中に散乱してチューチューやっている。よく見ても構造がどうなっているのかつかめない。
なにか捕獲したよう。
先日、神奈川近代美術館別館で見た柄澤齊の木口木版のような生物の殻。どこにでもミクロコスモスは眠って夢見る。
こりゃなんじゃ?触ってみると骨のない豚足のような感じ。ヒジョーに気持ち悪い。気色悪さにおいて今年度最高。ブルリに襲われる。より寄ってみるとこんな感じ。
「キショイ〜〜」とか言って喜んでいるギャルに本物を味あわせてやりたい。
そして、天気晴朗なれば波はなし。青い風景に包まれて水平線を見ている。待っていればいつか波は来る。のだろう。