1.地震の話
今年、中国に大きな地震が来て、東北で大きく2回揺れた。次に山梨が地震に襲われれば、それは「関東大震災のパターンと同じだ」と、海近くのサーフショップの話し好きなおにいさん。
関東大震災の時には鎌倉の方が東京よりも揺れたらしい。(それについては書いたかな?なんでも長谷の大仏の向きを、ほんのちょっとずらすために魍魎たちが企んだという説もある。)その時、津波は5分で鶴岡八幡宮一の鳥居まで達したらしい。死者5000人?だっけ?
地震が来たら、浜近くの人たちはうち近辺の谷間に逃げ駆け上ろうと示し合わせている。しかしこちらはこちらで崖崩れが恐い。そういうときはみな力を合わせて助け合いたいものだのぉ。
2.亡くなった文学者の話
話の大半がおぼろげで間違っているかも知れない。
或る年配の文学者が、中国のなにやらを研究し始めたそうだ。そして膨大な書物をあさり朝から晩まで首っ引きで知識に埋もれる毎日。
研究も進んだであろう頃、連絡が取れなくなって編集者が住居に行ってみると、歩けるところは人がやっと通れる隙間を残してどこもかしこも本が積んである。どこからとりよせたのか難解な書物が蟻の巣を残すようにめいっぱい詰め込まれた家の中。大声を上げた途端に雪崩を打って、何もかも埋め尽くしてしまいそうな密度。
声を掛けても出てこないので居ないのだと思って引き返したら、後日死んでいたのが発見された。近所に身寄りがないので実家の北海道まで編集者が片付けを手伝ったらしい。けれどもどこにも膨大な本をしまう場所がない。酪農をやっていた片隅に牧場のサイロを見つけて、そこに置こうと見に行ったらすでに本でいっぱいだったという話。
3.猫の冒険の話
妻の猫の友人宅が仙川にあり、そこに新しい猫が訪ねてくるようになったらしい。猫好きで庭に野良用のえさなど置いているので釣られてきたらしいが、他の猫と全然交わらないし、どうも飼い猫の雰囲気が漂っている。
ネットで写真を見せたら、他の猫仲間が以前どこかの迷い猫掲示板で見たかも?と思い当たった。しかしもうだいぶ前のことでなかなかその情報が当たらない。仲間総動員でというか有閑好き者、執念でネットの隅々まで探してようやく見つけた写真と照らし合わせるとよく似ている。
早速連絡を取ってみると、飼い主はネットをやっていなくて、ネット掲示板を頼まれた知人はすでに忘れていたそうだ。飼い主に当たってみると飛んでやってきたらしい。
迷い猫はやはりその飼い主の猫だったらしいが、いなくなった場所が中野坂上で、見つかったのが仙川。直線で10kmぐらいかな。
飼い主にもなかなか信じられない話。なんせ、コンクリートジャングル大都会東京の代表的大通りの環状七号、環状八号、甲州街道、さらには井の頭通りに中野通り、鬼も天狗も緑のおばさんの手引き無しには恐くて渡れぬという車の激流を、よくぞ無事に渡りきり、郊外の地に辿り着くのは並大抵のことではなかっただろう。
居なくなっていた期間約2ヶ月だったかな?涙無しに猫を見ることはできなかったんじゃないか?猫、猫と呼ぶのもなんだか味気ないので今さらながらだけどぴょんこちゃんとしよう。
ぴょんこちゃんよく頑張った!元気で長生きしておくれ、ぴょんこちゃん。
4.パーティーにこられない友人の話
ファッション関係のモデル、Rはサイパンだかどこか南の島に遊びに行った。もう帰ってきているかどうか?という頃、パーティーがあるというので友人でやはりモデルのNが電話をしてみたら出た。
「来週のパーティー案内来たでしょう?行く?カクカクシカジカなアレなのでコネつけといたほうが良いかな〜」などなど
「ごめ〜ん、来週ちょっと行けそうにないの、行きたいんだけどー」などなど
パーティー当日、Nは気が進まなかったがひとりで出かけた。来ていたAと近況について盛り上がり、ついRの話題になった。すると横にいたBが今朝の新聞を「コレコレ!」と広げて見せてきた。三面の片隅に幾日か経った溺死体がビーチに上がったという記事。水難の事故に遭い少し前に亡くなっていたR。
ではNの電話に出たRは誰だったのか?ということでちょっぴり大騒ぎになったと、知り合いのスタイリストから聞かされた。