毎日、崖の様子を見るのが楽しい。冬枯れの時期はなにやらうすら寒かったけれども、今や盛大に緑が生い茂るようになってきた。シワシワの葉っぱとか、蕗のとうから伸びちゃった蕗とか。とかとか。
崖の植物誌など書いたらおもしろかろう?と、まったく植物の知識もないのにタイトルだけ考えてみた。最初は「崖ボタニカル」だったけれども「カル」を語尾に使うのはなんとなく間違いなような気がして(仮に「ボタニカル崖」ではなんだかぼた餅の堅いやつをいつまでも噛んでるような感じで語感が悪い。)「ニーク」の「ボタニーク」にしてみた。
はて?こんな言葉はあるのかな?と思って検索してみたらフランス語の「BOTANIQUE」があった。意味は「植物学」らしい。なんだあるのか、と落胆。言葉がある以上は間違えたら恥ずかしいもんね。けれども、だいたい正しい言葉遣いはこのブログにはありません。
すると「崖の植物誌」を正しくいうとどうなるのだろう?
ニャニニャニ??「Flora(フローラ)」?そういえば澁澤龍彦の著書に『フローラ逍遙』という美しい本があった。崖にフローラではかわいらしすぎる。フローラより風呂。そういえば奥鬼怒温泉八丁ノ湯の崖にある露天風呂は楽しかったな。
やっぱりボタニークでいこう。でも、フランス語では実際どうなるのかな?
「崖 de la Botanique」
出鱈目ですいませんね。デ・ラぐらいしか知らないもので。はるなさんが読んでたらイタリア語で教えてくれるかな?
なんだか題名を考えるだけで終わりそうなこのコーナー。こーなー?
昔、「ヘチマコロン」という化粧水がありました。広告批評に書かれてありましたが、多分メーカーとしては「ヘチマの水」という意味合いで作った製品と思われます。しかし「ヘチマコロン」では「ケルンのへちま」になってしまうそうです。
それはそれでどのように生えているのか見てみたいもの。ゴールデンウィークの渓流にいっぱい掲げられる哀れな鯉のぼりの風景のように、アルプスの遙かな谷を見下ろしながらぶら下がっているのかな?
ともあれ、ここに引っ越してきて最初は不安だった崖を愛でるようになりました。まさか崖というものがこんなに良いものだとは思いませんでした。
そして先日、鎌倉文学館で買った澁澤龍彦の小冊子には、崖愛好家にはうれし涙なしには見られない写真が一枚掲載されていたのでした。