前売りが売り切れていたのを知ってがっかりしていたキセルの公演です。
仕事中にヘヴィーローテーションの彼らの新譜『Magic Hour』。あきらめていたものの種火が残ったままだった。デビッド・ボウイの時のようにヤフオクを覗いてみたけど、「キセル切符」みたいな古い国鉄の切符しか出てこなかった。
というのが先週水曜日ぐらいの話。
あきらめていながらなんとなくミクシーの「キセルコミュ」を見てみたら当日券が出ると書いてあった。急遽仕事をそこそこにでっちあげて慌てて出かけた。
というのが昨晩の話。
うちから35分。ライブにこんなに間に合うのは自分としては珍しい。煉瓦の塔の立派な建物はすぐにわかった。こういう会場でコンサートをやることは、音楽家なら誰もが見る夢じゃないのかな?(低音が飽和しやすくて、PAを使う音響にはあんまり良くないけど。)
当日券を問うとまだあった。会場のど真ん中。たまたまひとり分のキャンセルで良い席に当たったのか何なのか?端っこでささやかに立ち見…と思っていた目論見が外れた。若い人たちのど真ん中でおっさんはちんまり。脇の方に座っている人に申し訳ない思いでいっぱいになった…すみませんでした〜。
プラネタリウムほどではないけれど、椅子の背もたれが上向き加減なので寝てしまいそう。こういう席では、誰もが積極的に盛り上がるためには腹筋をもっと鍛えてこなくちゃならない。しかしお客さんはどちらかというと控えめでおとなしい、外で遊ぶよりは家で机に向かっているタイプの女子がほとんど。
曲と話と曲と曲の間に熱烈な拍手が入る以外はシ〜〜〜ン。ピンクフロイドの『Ummagumma』のライブ録音みたいに、曲にかかる部分には一切拍手がかぶらない。水を打つとはこのことか?ぐらいの静寂。いや氷?貴重な体験だったかも。
でも、どれだけみんなが楽しんでいたかはアンコールの拍手の熱で伝わった。
ステージはキセルの辻村兄弟ふたりにドラムとキーボードの編成。キーボードはエマーソン北村(?)氏、どこかでよく聞いた名前かも?なんだっけ?ううう。ドラムは前髪ぱっつんの??ゆうこ氏。外見が保育園?くらいかわいいのに丁寧でねちっこいプレイをする。あんまり気に入っちゃったのでドラムばっかり見ていた。盛り上がるところでは芯の太い打撃もするのでかっちょいい。
かわいいドラマーはいいね。キャーーとか金切り声出すドラマーはごめんだけど。
キセルの演奏は、丁寧で親切。やさしくてハーモニーも美しい。破綻や暴力シーンは無し。曲の最後にジャカジャカジャカジャカ〜〜〜〜〜〜〜〜ジャン!とやって終わる王道のアレは一度もなし。偉い!かねがねライブでやる曲の最後「他の終わり方はないんかいな?」と思っていたからね。ロックバンドのジャンプしてジャ〜〜ン!みたいなあれ、嫌い。でも時にはアレもありかなあ?バンドのダイナミズムに乗ってるときにはアレもあり。
キセルのライブのダイナミズムはゆうこちゃんが担当していた。キセルも良かったけどゆうこちゃんも良かったなぁ〜。
GRETSCHのギターって、なんか裏側に革みたいの張ってるね。あれなんだろう?