世田谷区役所は、余所から行くととても不便なところにあります。もっとも世田谷区民へのサービスが基本だから、余所の人の利便性はあまり関係ない。そういうところへ午前中から出かけるとヘトヘトになる。午前中の三軒茶屋など、住んでいたときにも徹夜の時以外はほとんど知らなかったのに、引っ越してから歩くなんて不思議。
春雨の浜を歩いて、砂に埋もれた貝の死骸。魚の死骸。昆布の死骸。ウミウシの(ようなもの)の死骸。鳥の死骸。ぼくの死骸もこんな風なら仕合わせかもと空想してみたり。はた迷惑かも。
電車で座ってうとうと。目を上げると若い女性がふたり立ち話。細いヒールで電車の床に揺れながら笑っている。片方の半ズボンに黒いストッキング。太もものあたりに3センチほどの横向きの切れ目があって、エロティシズムを醸し出している。見るつもりがなくても見てしまうのと同時に、見たくて仕方がないけれども見ないようにする苦行のような同時逆説的行為。相反する自分の欲望と我慢。みなさま毎日通勤の方はどうしているんだろ?
慣れてしまうんだろうか?
三軒茶屋のセブン。もうどうでしょう?20年ぐらい前、週に2〜3回通った喫茶店。注文は常にオムライスセット。窓際の大きな丸テーブルで漫画本を読みまくって帰る。貧乏で暇があった。
最近、芥川賞を取った女性作家の方がここの常客だったらしい。なんとなく親近感をもったけれども、名前もうろんである。申し訳ない。