もう後はまっすぐ帰るだけ。つまらない帰り道。気分は関東行きツーリングでいたい。とはいうものの帰りは帰り。地図に線を引いてみたものの全く自信がない。写真の順を追って、おおむねこういう道だったろうという線です。けっこう長距離で、後生掛に着いたのは20時ぐらいだった。
大間のキャンプを畳んで雨があがる。
下北半島、森の中の道沿いの渓流から湯気が上がっていたのは覚えているが、下風呂温泉を通ったのは覚えていない。
トイレを催したが、熊しかいないような山の中でもこの頃は公衆トイレに洋式の水洗設備が設えてある。こんな所クルマ来るのか?という山奥の川沿いの道路をしばらく行くとちゃんとそういうトイレがあり、無事用を足すことができた。不快な虫などが灯火に集まらないように自動ドアですらあったりする。
ありがたいというか無駄というか…
奥薬研温泉、カッパの湯。テレビで有名。階段を下りながら写真を撮ったら、オヤジに怒られた。ひたすら謝ったが、オヤジは温泉の主のようなことを言って威張っている。そのうえ湯船の脇でシャンプーを使い始めた。臭いが鼻につく。湯のほのかな匂いがかき消えてしまう。あんまり不快なので嫌みのひとつでもと思ったけれども、関わるのも面倒。
見ると頭を洗う上の看板に「シャンプー石けんを禁ず」みたいなことが書いてある。
まあ、書いてあるだけ。
温泉にある洗い場がこの頃から気になるようになった。
前から行きたかった仏ヶ浦への道。深い森の中、熊がとび出てきそう。湿った平坦なダートは気持ちがよい。見晴らしは悪いが、その分走りに集中できる。「XTは最高!」みたいな喜びがこみ上げてくる。
途中、地図にはない分岐が何本もあって非常に困った。あみだくじみたいな感じで進みようやく津軽海峡沿いの国道338に出た。1987年の地図には「ひどい砂利道」と書いてあったような気がするが、すでにくたびれた感じの舗装路だった。
「仏ヶ浦」と、なにか看板があったんだっけ?バイクを停めて、崖を降りる。降りる降りる。つづら折りの木製歩行路がずっと下まで。行けども行けども下に行き着かない。
ようやく海岸に降りると奇形奇岩の風景。アルセーヌ・ルパンが隠れ家にしていそうな奇巌城。
どうやら船で来るコースもあるようで、桟橋に船が着いている。お年寄りがぱらぱらと見て回っている。崖の上から恐山から流れてきた霊の風が降りてきているよう。
帰り道は、崖を登るのが大変で何度も息切れで休んだ。海岸にアイスクリーム屋はあったが、この途中にも氷屋ぐらい欲しいものだった。
後学のための教訓=仏ヶ浦は船で行け。
国道に出て、バイクにまたがる。あとはまっすぐ帰るだけ。
といいつつまた森の中の道を選んで走る。ダートを遊んだ。陸奥湾に出てしばらく走り、誘惑に負けて恐山へと進路をとった。恐山には三回ほど行っているが、これが二度目かな。
憂鬱な空模様。ここでは誰もが不思議な写真を撮ることになる。
のんびりしていると日が暮れちゃう。あとはまっすぐ帰ろう!
下北半島を下り、奥入瀬で休憩。奥入瀬と十和田湖は乗り物を止めるスペースがあまりないので、いつも同じところで休憩。奥入瀬で日が暮れて雨が降ったりやんだり。そして寒い。岩手県が予想外に遠くてくたびれた。
トロコ温泉で休憩しようと思ったが、買い物だけした。
後生掛温泉の少し下に新設されたキャンプ場についたら夜。広いけれどもキャンパーの賑わいもほとんど無いさびしい所。管理人はまだいて、親切によい場所をあてがってくれたが、どこも赤土に小石が浮き出たゴツゴツのサイトだった。オートキャンプ場はデリカシーにかけるねえ。
たしか、国土交通省とかそういう公営管理のところで、(リラクゼーション法?リクレーション法?レクリエーション?とかあったっけ?)国もいろんな開発のやり方を考えるものだと、思ったのだった。
利用しといてなんだけど…