先日、秋葉原で初めて見かけて「なんだありゃ=?、、ブレラだぁ〜〜!」って思わず叫んだお車。
友人が買ったのでいそいそと見に行ってきた。存在感の固まり。悪い顔してるくせにケチなところがない。左右合わせて六つあるヘッドライトのデザインがちょっぴりザガートデザインのSZを思わせるが、そんなこと言ったらジウジアーロが怒り出すだろう。
前から見ると山のように登り続けるボンネットデザイン。運転席側から見ると急降下。スラントノーズというか巨大にしたバイクのカウルのよう。運転席に座ってみるとメーターなどが上の方まで迫り上がってる。運転してみると何ともない程度なので、気が付かない人はまったく気が付かないと思うけど。145など、座るとさっと開ける窓になれている身にはちょっと狭い感じの窓。
それから、はみ出るくらいに後ろに「飛び出た」リアタイヤ。後ろをスポーンと気前よく切っちゃったから、トランクの広さがかなり微妙。個人的な感覚では狭くはないと思う。まあ後席をトランクと思えば収納は多いと言える。
後席は座るところじゃなくて寝るところ?足はなんとか入るけれど、頭がつっかえます。でも、全体としては欲しいと思う人にはどうしようもなく欲しいと思えるデザイン。
こうなるとデザインはエゴです。良いところを所有したいが為に悪い部分も受け入れるという力学を作り出すダイナミックな行為とでも言いましょうか。
悪い部分を削る、削る、削る、んでもってハートにずしっと来る部分もいつの間にか消えて無くなってる。そういう味気ない会議ばかりやってませんか?
インテリアのくすんだえんじと小豆色の中間のような色、ヘアラインの入ったアルミの飾りとクリーム色がイタリアン。友人はオートマのレバーのボタンが「ビヨョ〜〜〜ンと取れて飛んだ」と笑っていたが、イタリア人は色ついてにそういうミスはしない。
(友人はアルファロメオが二台目なので、イタリアンなトラブルには慣れている。ガソリンメーターが、満タン時にFullを指さない、というのは156の時にも体験したらしい。)
3.2lのV6エンジンは新しい設計のヤツ?で前のアルファV6の美しい筒のデザインが消えていた。ボンネットを開けてみるとちゃんとエンジンだのなんだのが露出していて嬉しい。ボンネットを開いたら高級感のある「トレー」がエンジンを隠している車ってがっかりだもん。できたらフェラーリのように背中でエンジンが唸るくらいが望ましいのですが、せめてボンネットの中にはエンジンが「あるのがわかる」方がいいんだな。
さて、乗せて貰ってどうでしょう?コレ。無茶無茶気持ちいい。3000も廻さなくてもトルクがたっぷりでぐいぐい進む。しかも、80000キロ乗ったぼくの145よりも音がでかい。けれども同じ血潮が流れている。
むか〜しのジュリエッタなどはさすがに知りませぬが、ぼくの知っているアルファロメオの愉しさが倍になっている。高級車のくせに楽しいぞぉー。ちぇ〜悔しい。
走ることを楽しみたくないなら、車に乗るな。走ることを楽しめないような車なんか作るな。これはそういうメッセージのように思える。ただ移動のために不機嫌に走る車が無くなれば環境にもいい?そういうことかな?
コォ〜〜とかクゥ〜〜とかやたらセクシーなエンジンの唸り。これが4000回転を超えるとギュ〜〜〜ンとスーパー快感ゾーンに突入する。
あ、あ、あ、もーあきまへん、、、
唐桑から煙草を買いに出て、いつの間にか丹後半島を走ってた、って事になりそうな気持ちよさ。気持ちの良いエンジンの前では、7000まで廻るとかトップエンドの馬力がどうのこうのという話は空しい。エンジンの回転数は常に途中にあるから、中間のグラデーションこそが動力の美学なのだ。
なんてぇ〜ことを思っちゃったり。ブンブンブ〜〜ン!
東京都区内から横須賀は近い。三浦半島は緑がいっぱいだし横横道路は空いている。三崎に行けばマグロが食えるし、そうでなくても港から上がった新鮮な魚が美味しい。
こういう良いところでも温泉というのは掘りたくなるもんなんだなー。???テラピー?岩盤浴?やれやれ。そういえば津軽半島の先っぽ小泊からほど近い辺りで見た「タラソテラピー」。夕方、人通りの絶えた海沿いの国道で宿を探す身には信じられなかった電飾の「タラソテラピー」。
今や日本中、都会と田舎の地ならし中。やれやれ味気ない世界だこと。