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* * * 七月十九日。曇り。 「こういうものです。」と、玄関で名刺を差し出された。ついにやってきたテレビ局。「○○局第二課長虎澤龍太郎と申します。まあ、ディレクターみたいなもんです。」 「はあ、ディレクターといわれましても…」 「昨晩は遅くまでお騒がせしまして申し訳ありません。お詫びのしるしにこれを」パルナスのケーキのひと箱差し出される。なかなか本題を切り出さない。 「お詫びといわれましても、田圃の事は大家さんのほうへうかがった方が良いのでは?」 「大家さんの方へは、もう行って参りましたので」と土間から家の中をうかがう目線がいやらしい。何かが起こるのを期待して、わざと暗くなる時間を待って訪ねてきたのだろう。 「おおーい。」と、ツム児君の呼ぶ声。 「おおーい。」「おお〜〜〜い。」ふざけてノリのいい女子の声がのっかる。 見ると珍しく女性を連れている。 「どーしても来たいって言うんだよ。ごめんよ〜」「ゴメンナァ〜〜」「ゴメンチャ〜〜イ!」 「いいよいちいち言わなくてさ。こっち、アイコと、愛ちゃん。芝居の照明やってるの。」 「芸大生?」 「そう、舞芸」「ブゲー。」舞芸とは舞台芸術学科のこと。ふたりとも合わせているのか、細身のGパンに白いTシャツ。胸の膨らみが眩しい。 「客が来たので、他に用がなければこれで。」ケーキは虎澤氏に返して、ツム児君一行を招き入れた。 「ふ〜〜ん、いいおうちやねぇー。」 「広いなぁ。」 「眺めもええし。」 「芸大はどっちになんの?あっちぃ?」 明るい女子がふたりも来ると賑やかになっていい。昨日の山伏対虚無僧とはまるで対極の風景かも。 「ジョイハウスの所歩いてたらさ、車から『オマンコーー』って叫んで走ってくんだよ、この人達。あぶないよ。」 「オマンコー」「オーー!でも今の誰?」 「まあまあまあ。」まったく遠慮がない。「テレビの人。昨日田圃に車落としてたから謝りに来た。」 「ああ、晩遅くクレーンで引っ張ってたのテレビ局の車?あれ。」 「アイコでも落ちへんかったわ、下の道やろ。」 すると、愛ちゃんがガラス戸に走っていった。虎澤が覗いているのを見つけたのだ。戸を開くなり 「うち愛子いうねん。よろしくな。ケーキもろうとくわ。おーきに。」 「愛ちゃんエラ〜イ。ケーキ食べよ。コーヒーある?」 「ふたりとも『アイコ』っていうの?」と、聞くと 「同じやねん」と答えてお湯を沸かしに行った。「でもアイコの『アイ』は藍色の藍やねん。こっちのがええやろ?」 「えー、うそや、愛情の愛の方が可愛いやん」と、愛ちゃん。 「違う意味の言葉なんだから、どっちも大事なんだよ。どっちも役割が違うだろ。だから両方平等なんだよ」と、ツム児君。わかったような、わからないような。 「どっちでもええわ。うちら仲良しやもん。アホか。トイレどっち?」ツム児君が指を差して教える。 「女の戯れには口を出すもんじゃないね。」 「うわ〜〜〜〜!!!」と台所からアイコが走ってくる。後ろから節くれ立った手が何本も伸びてくる。「愛ちゃ〜〜ん」というので、トイレの方を教えた。 手が節くれ立っているのではなくて、手がずんずん伸びるに従って関節が三つ四つ五つと増えているのだ。植物が伸びるように手が伸びてくる。太い竹箒を何本も束ねてこちらに向けられているように見える。しかも関節関節で腕が折れ曲がってうごめくのでこんがらがって見える。 さらに腕がカクカクと盆踊りを踊るように近づいてくる。アイコはしばらくツム児君の肩に掴まっていたが、我慢しきれなくなり愛ちゃんの入っているトイレに駆け込んだ。不思議と鍵が掛かってないのだな。すると今度は愛ちゃんの悲鳴。トイレでも何か出たのか? 「ウギャ〜〜〜!」尻舐めたぁ〜〜〜!!なめたらかんなめたらかん……でぇーーーー!!!」ふたりとも抱き合うように走ってきて、こっちの腕の化け物を見てまた悲鳴を上げる。愛ちゃんはズボンが下がっているので走りにくいうえにお尻が丸見えだ。 「ウワワワワ」 「タスケテタスケテ」 ツム児君が這ってガラス戸の方に逃げると、ふたりとも四つん這いで着いていった。ガラリと戸を開けるとまだ虎澤が立っていたが、これもそちらに腕の集団が進み始めると逃げ出した。 腕は曲尺のように折れ曲がりつつ部屋の中で繁殖して、顔や身体を撫でまわす。掴んで引っこ抜こうとするとさっと引っ込めるので捕まえようがない。面倒なので構わぬ事にして、沸いた湯で紅茶を入れて、ショートケーキをひとついただいてベッドに入った。 裏の道を車が帰っていくヘッドライトの明かりが窓を横切った。雨が音も立てずに落ちているのが見えた。 * * * 池袋の東急ハンズに、止まってしまった掛け時計を持っていった。方位磁石で磁気を調べたり、電池の残量を見たりしていたが異常はないようだった。お店にあった電池に入れ替えるとしばらくしてなぜか針が動き出した。45〜50の間を廻るときに秒針が心許なく震える。針がちゃんと填ってないのかも知れない。 今同じ型の時計がないので渡せないが、「取り寄せできたらここで2~3日動かして動作の確認できた製品をお届けさして貰います」ということだった。
by magari_tumuzi
| 2006-07-19 01:23
| 七月のにぎやかな客人
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Comments(4)
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by
ayumi
at 2006-07-19 08:28
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どこかで見覚えのある、景色。。。と思ったら、
すごーーーく懐かしい家ね。 つむじ君が卒業してからのほうが良く行ってたかもしれないけど。(笑) うん。 今もあるのだろうか。。。。
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by
magari_tumuzi at 2006-07-19 10:26
土台しか残ってないです。
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by
提督
at 2006-07-20 18:14
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おおアイちゃんかえ〜、なんかいいなあ、このシリーズ
Commented
by
magari_tumuzi at 2006-07-21 03:01
あれ?アイちゃん知ってた?
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