6月1日、よく晴れたので花火を見に行った。
隣の市、逗子市の花火はこの辺では一番早い。毎年がんばっている。
夏になって最初の日の花火。「いの一番」というやつ?下町っ子ではないけれど、よくばりはみんな大好きいの一番。皆さまに特に好まれる、希少な物事や限定品、一等賞や、はじめての出来事に出会えたら縁起が良い。そんな花火?
美味いラーメン屋なら空いてる日に行きゃあいいやッテコトにもなるけれど、花火は終わっちゃったら観られないので此れものこのこ出かけた。片道約5000歩。
前に見たときは早めに着いたせいかガラガラの海岸の良いところに座ってみたけれども、今回は海岸への道はすでに封鎖されていて、国道沿いのでかい駐車場に誘導されてしまった。こんなに混むのかこの花火。
こういう時の警察はもうどこも一緒で「立ち止まらないで下さい、歩道上で立ち止まらないで下さい」「柵に乗るな」「ガードレールにもたれるな」。
こっちは歩きに来たわけじゃ無いから、まあそれとなく歩道で立ち止まってはじまるのを待っている。そのうちしつこい警官(仕事だから仕方がない)が来て「ここは歩道なので、云々」。
ひとりで見に来ているおばさんはそういうのにもっとも強く食い下がる。彼女はいつもは浜辺で見ていたのかも知れない。たまたまいつものようにゆっくり来たらこちらに回されてしまって憤慨しているかも。ぼくは内心「負けるな」と思う。けれども小心者なので加勢したりはできない。ごめんよおばさん。
しかしもうずっと昔っからその辺で見ていた近所の人が、デバ亀観光客に押されて行き場を失ってしまうってのはなんだか哀れで悲しいナ。
ぼくは、なんとなく分が悪くなってきたので直接注意される前に駐車場に移動して、なにしろお尻に敷く物を忘れたので地べたというわけにも行かず(ひとりでオッチャンがなにも敷かずにファミリー客やアベックや女子中学生の隙間にポツンと座っていたら、変態まではいかずとも怪しいやつだと思われるに違いない。敷物とは、「花火見物を計画していた」という素振りを表現してくれて、人混みでナニカしでかしてやろうという疑義を払ってくれるオッチャン弁護の魔法のアイテムなのだが、それを忘れてしまった。)座れるところはないかとうろついた。
駐車場に行くともう人がわんさかで、こんなことなら早めにこっちに移動して場所を確保すればよかったと思いながらめぼしい場所を探す。結果塀に腰掛けて停められたクルマ2台の隙間から見るという哀れな状態になってしまった。駐車場と海辺の間にある国道にはもうひっきりなしに車が通る。
やれやれクルマの隙間だけれども、塀の上に立てば見晴らしが広がって思ったより良いぞと思っていたら、まだまだどんどん人がやって来て、ぼくの後ろですらありがたそうに見物する人がたまり、花火が始まっても立つに立てなくなる始末だった。
逗子の花火は45分。7,000発と書いてあったかな?隅田川の花火が20,000発以上だから約三分の一。
三分の一だけれども、ココのは短く派手に打ち上げる。鎌倉のアレコレ趣向を凝らして細く長めの花火大会とは趣が違って、はじまればほとんど休みなくドンドコドンドコ続けて打ち上げる。ラストの5分は快哉である。
(ていうか予定より5分早く終わっちゃったからどんだけ詰め込んだんだ?って感じだった。)
帰りの人並みは結構大変。まあ仕方がない。
材木座の人も隣町だしまあまあ見に行っているようだった。海岸線の国道をそのまま帰ってくる人がちらほらいるが、催しのある日には、これ見よがしな珍走隊やヒップホップスクーターが行ったり来たりするし、トンネルには歩道が無いからコワイ。ぼくは小坪のお化けトンネルをとぼとぼ歩いて帰った。こっちも恐いッちゃ恐い。