1995年に九州へ行った。
ここまでまったく写真無し。どこから出発したのかも覚えていない。愛知県で示し合わせたのか、奈良の當麻町N氏宅で一泊したのか。記録も失われ、記憶も定かで無い旅行記などあるだろうか?そういうわけなので旅行記と云わない。ただ残っていた写真の羅列にコメントを残す程度。自分がいつでも見られる用に。
8月16日と日付がある。とにかく暑い日だった。9号線を走った。連れはいつものN氏(奈良県在住)。いつも本人の希望を聞かずに無理矢理引っ張り出して旅につきあってもらう。ひとりでは心細いので仕方がない。京都から?日本海に向けて、とにかく暑い中を走った。脇目も振らず。
どうせ行くなら辺鄙といっちゃ悪いけど、あまり行かないようなところを通って行こう、という訳かどうなのか、山陰を伝って中国地方を抜けようという計画だった。
鳥取で海側に出ただろうか?砂丘を見たかったかも。道路からは見えなかった。とにかく狭い国道をへろへろになりながら走った。トラックやなにやかやで渋滞。とにかく海沿いに一本しか道が無い。もくもく澱んだ空気だった。雨が降り出す前の極限の湿気を思い出す。
「カチカチが気になる」
このツーリング中、SRに乗るN氏はずっと気にしていた。「すげえ聞こえる。」「カチカチの音が大きい」と。その音とはタペット音。タペット音とは回転するカムがロッカーアームのスリップ面をたたく音。ロッカーアームとは、バルブを上げ下げするシーソーのような部品。
まあエンジンの中でその隙間が広すぎると音が派手に鳴るところがあって、そこの調整次第でライダーはたぶんに走っていて気分が良くなったり悪くなったりする。スムーズな回転のためには良い調整が必要。そのクリアランスは結構厳密なもので狭すぎてもダメらしい。そこがずっと気になっているようだ。
N氏の頭の中で、そのスリッパー面が灼熱の中を走っているうちにどんどんすり減ってきているような妄想につきまとわれていたのでは無かろうか?
そして休憩。今日はどこへ泊まろう?で、ようやく駐車場のあるコンビニA&B。今は別の店に変わってしまったようだ。
いくつか小さな温泉を本で探して、安宿を公衆電話から予約したかもしれない。なにしろほとんどの人が携帯電話はまだ持ってなかったし、Wi-Fiという言葉も無い時代。
宍道という辺りで国道を折れて(今地図で探した)南下。今の雲南市加茂町の交差点でN氏のSRに激突。ルーカステールランプをやっつけた。
左折する信号が黄色になって、いったんストップランプが点いた。停まるのかと思いきやアクセルが開いたので行くんだ、と思ってこちらも着いていこうと思ったら停まった。それでガチャン。暑くて疲れててブレーキ間に合わず。停まりかけのスピードだったのでテールランプだけですんだ。
【教訓】暑いときにはとにかく注意。とにかく安全に。とにかく気をつけろ。
申し訳ない気持ちになったが日が暮れるので出発。しばらく走ったら、ぼくのバイクのギアが不意に入らなくなった。というか空振りするようになった。ナニこの感覚。
少し行った郵便局の駐車場でチェック。シフトレバーがブラブラ。リンケージ(シフトレバーとエンジンを繋ぐ部品)が、取れて無くなっちゃってる。少し戻って道ばたを探すが見つからない。日が暮れてきて探すの無理。ギアチェンジできないと走り出せない。
初日でツーリング終了?
はぁ〜やれやれ(´Д`|||)。
と軽トラが停まり、上半身裸のヤバそうなニイチャンがやって来る。「ドウシタノ〜〜」とか、目を合わせないようにしていた。
このニイチャンがいい人で、「知り合いに直せそうな奴がおるんで」ということで、その直せそうな人のところにナニヤカヤありバイクを持って行った。
リンケージというのは鉛筆ぐらいの鉄の棒で、両側にネジが切ってある。それでレバーとエンジン側をいくらかフレキシブルに連結している。それを長いネジで代用しようとしたら、片側が逆ネジだったので苦心して(力業で無理矢理ねじこんで)なんとか修理完了。
あああああああありがたや〜〜!
N氏の写真に日付が入っていたので、ああ、この日だったんだナと、気がついた次第。
裸のニイチャンは、いつの間にか帰ってしまってお礼も出来ず。これが心残り。
初日から大変だった。本当にありがとう。この後どこをどう走ったか、よく覚えていない小さな温泉宿に宿泊。
ナニも覚えていないのにこの長さ。写真を見られるようにするのも億劫なので毎日更新は無理かも。
でもとりあえず。ハジマリハジマリ。