
大沢温泉の自炊棟。清潔で明るい。貧しさは自分の持ち込んだもの以外なし。
温泉宿などに泊まると、普段は自堕落に9時過ぎまで寝ているのが早起きになる。その早起きを手伝うのが朝湯。寝ぼけまなこでよたよたと不案内な廊下や階段、建て増しで迷路のようになった旅館を経巡って目当ての風呂に辿り着き、ニコニコ笑うお湯にとっぷり浸かる。
ありがたや〜〜。よぉ〜〜し!みたいな気力に満ちてくる。
10/25
09:15 大沢温泉(17063)
13:06 中尊寺出発(17120)
中尊寺を見て、太平洋側に出るために東へ。岩手といえばリアス式で有名な三陸海岸。
名高い山こそないけれども遠野の早池峰山をほぼ中央に南北に広がる北上山地はかなり広大。目だった観光地のないおかげで開発から逃れて、森林の養分を滔々と太平洋に注ぎ込んでいる。おかげで三陸の海産物はすんごくうまいのだ。
だが、ひとは便利を求めてちゃくちゃくと道路を造る。どの町にも、村にも、ドンキホーテやユニクロや牛丼屋が必要なのだ。それが平等というもの?
また30年もしたらエライ金を掛けて修復せにゃならん。神戸の地震で高架の道路がひっくり返ったあと、基準が甘かったとか云って大慌てで首都高なども補強しまくった。基準を甘く作った人におとがめは無し。後付けの補強で大丈夫なんだろうか?
人里の遠い山奥でしばしば出くわす巨大工事。根本にあるトラックを見ると大きさがはっきりして足が竦む。どうやってあんなに高い棒を立てるのか?
すごい技術だべ。
16:20 陸前高田(17189)給油8L/211km
17:00 キャンプ地(17208)
ようやくキャンプ。2回目。例によってN氏にキャンプ場という言葉は無し。よくわからない半島の適当に人の来なさそうな眺めのいい場所にテントを張った。
さて、
唐桑半島と云っても広うござる。どのあたりなのかさっぱりわからない。巨釜というあたり?潮吹き岩みたいなのが近くにあったような気がするがそれは唐桑の隣の半島のようだし、記憶のおぼろげになった30年前の旅のこれが最後の宿泊になった。


松林の中。右の方のカサカサしたアレコレはゴミか?ゴミの近くにテントを張った?競技場などはキレイにするけれども、ハイキングで目につかない所にゴミを捨てるのは今も昔も変わらない習性。
たしか近くに休憩用のコンクリート造りのテーブルと椅子があったと思う。夜中にガサガサゴソゴソとテントに近づく足音。出てみると釣り人で、淹れたかおごってもらったか忘れたけれど、コーヒーを飲みながら話をした。「こんなところにテントを張って!」と怒られるのかと思ったらただの世間話だった。
人の来なさそうな場所というのは、常にその場所に素人の思い込みに過ぎないのだった。
この日の走行145km。