友だちが遊びに来た。奥さんと娘さんと三人で遊びに来てくれた。
娘は今月2回目ぐらいの陽光だそうだ。引きこもりで不登校。本人に会えばいたって明るく快活なのだが、どうしても学校に行けないらしい。友だちのGちゃんはほとほと困り果てていた。
でも材木座の海に入ると笑って泳いでいく。ビニールのボールをぽーんぽーんと太陽に向けて打ち上げながら笑っている。
あがた森魚の「Pepitaの児(香ル港)」という歌を思い出しながらぼくは空向きに浮かんで波に任せてしばらく漂った。弱い風と大変な暑さのためか蒸発した海水がもやもやと溜まってしまって分厚い湿気が風景を霞ませていた。
すぐに上がって食事。いつもの海の家。ネパールの料理。5時近くから泳ぎはじめたからすぐに夕方で、太陽が線香花火のような色になって下りてくる。
Gちゃんの奥さんと娘はまた泳ぎに行った。誰もいなくなった凪いだ海面にふたつ頭がぽっかり仲の良い影になっている。
家に帰って妻がGちゃんたちに話すのはぼくのギターがいかに気持ち悪いかと云うこと。音程が外れているくせにそれを最後で直そうと戻すところが特に気持ち悪いと力説していた。そういうものだからひとつも弁解できず。。。。。家ン中ですら無様なことが出来なくなったらどうしたらよいのだ?コトブキ猫がいなくなって気兼ねなくギターが弾けるようになったというのに。
というわけで、ピンクのストラトキャスターをGちゃんに貰ってもらえることになった。うまくすれば次のレコーディングで使ってくれるらしい。なんだかうれしいな。
Pepitaの児(香ル港)
大空の空の下で
ぼくらの知っているこどもたちは
雨の空の下じゃ歌わない
だけど雨の海に泳ぎ出す
水平線とかみなりと化学変化の子どもたち
泳いでる 泳いでる 一緒になって 泳いでる
大空の波の上で
嵐を待っている子どもたちは
雨の下じゃ歌えない
だけど海の底に泳ぎ出す
水兵たちと女神たちの輝く栄誉の幻か
泳いでる 泳いでる 一緒になって 泳いでる
泳いでる 泳いでる 荒れ狂う波に 泳いでる
あがた森魚『ギネオベルデ』