あがた森魚「俺の知らない内田裕也は俺の知ってる宇宙の夕焼け」発売前ライブ。麻布の『新世界』というライブハウスは少し小さめ小ぎれい。元自由劇場のあったところと書いてあったけれどあんなに狭いところで芝居をやってたのかしらん???
あがたのライブにバイオリンの武川雅寛さんが参加すると、どしっと安定感が出る。安心して歌が聴けるなんて書くとあがたさんに無礼な感じだけど。今回は他にベース、エレキギター、ドラム、キーボードのバンド編成。あがたさんも全曲生ギターを弾いていた?銅鑼の曲もあったね。
タイトルソングは言うに及ばず、どの曲も「ええ?」みたいなへんてこといいたいくらいの飛び抜けた歌詞。宇宙や時間に自分を投げ込んで玩び、また俯瞰してまたその物語に恋をして戯れる歌詞は、あがたさんの独壇場だと思う。
一歩一歩重い物を引きずるようでもあり、またカバンなど置き忘れて遊ぶ道草の少年のようでもあり、そんなふうにしていつの間にか未知の道へと歩を進めている。ノロノロとその辺で船を漕いでいるように見えたのがいつのまにかずっと沖にまで行ってしまっている変な遠近感を持った人。
新しいサウンドや新機軸なスタイルを取り入れているわけではないのに前に進んでいる。彼は彼の前へ歩むのだ。ハイホーえらいやっちゃ。
この人に会えてよかった。
今回、昭和に生まれて一回こっきりの生の間に間に何度か逢えて声を聴く。時々出会う彼の声が、なぜだか彼岸の星からの声のように聞こえたりして、そういう瞬間が大切な時間になる。友人や仕事づきあいの人、家族、親戚、または通りすがりの人などなど、誰と話しても本当にこれっきりの大切な瞬間なんだと云うことを思い出させてくれる、そういう存在の人の歌う歌。
おやおや!?
後ろで太鼓を叩いているのは、さいぜんのソロで感心した熊谷大輔くんぢゃないですか。ドラム転げてゴンゴロゴンゴロギリギリのところで落っこちないタメの効いたドラム。あがた森魚のリズム&ブルース(?)にとてもよくマッチしていたと思う。
●12.14(火)の西麻布「新世界」のあがた森魚はタンゴのライブです。
タンゴアルバム「誰もがエリカを愛してる」リリース記念ライヴ!
二ヶ月続けてアルバム発売。スゴイね!
みんなであがた森魚を見よう。