かつて鎌倉は天然の要塞だった。のかな?いくつかの切り通しと海から以外この山間の土地に入るのは困難を極めた。昨日のようにひどい風が吹くと横須賀線など運休しまくり。どの程度だかわからないけれど、海辺にてiphoneで確認して引き返した。
強風のベイブリッジをバイクで走るのは、想像するだけでお尻の先っぽがシビれる。なにしろ高所。そよ風でもベイブリッジは通りたくない。そういう考えから電車で行こうと海辺を歩いていたのだけれど、砂嵐、砂つぶて。待て待てオレは悪霊ぢゃないぞ。といっても聞かぬ嵐、見渡す限りチクチクに荒れ狂う海の波打ち際を押し戻されながら歩いたが、由比ヶ浜に人っ子ひとりいない。
こんなに晴れわたった青空の下というのに、観光の人がいないと言うことは?電車が満足に鎌倉まで届いていないのではないか?などというわけで引き返して車で行くことにした。
引き返す前に、去年できた「梵蔵」という気になっていたそば屋で昼を済ませた。そば湯がおもゆのごときで驚いた。三ノ輪に住んでいたときに通った「砂場」も濃かったがその倍ぐらい濃い。ちょくちょく来ることにしよう。
車で中目黒。GUNちゃんのバイクに充電済み新品バッテリーを装着して任務完了。これぐらい自分でやれんものかぬぁ〜?
新宿へ行く途中、たまたま広尾を通りがかったので、在住のカメラマンM氏に連絡してみたら、すでに「飲んで寝ていた」ところだったが、出てきてくれた。さすがの豪快世代。またまた尊敬の念を深くした。仕事で入り用のネガを入手。
新宿の紀伊國屋書店の画廊にて、エコール・ド・シモン人形展 。入り口にちょいと顔が出たくらいで知人がこちらを見て手を振る。てっきり違う人を見ているのかと思ったら自分だった。こういうときなんだか恐いものとありがたいものを同時に感じる。ぼくのようなつまらぬものを見つけてくれてありがとう。
入ると四谷シモン氏と目が合った(と思う)。いつも目が合う(と思う)。場にそぐわぬダサイ恰好なので気になってしまうのかしゃん?人見知りの自分としては、目は合ってないことになっている。
人形の見方はよくわからない。よい人形は知人のものとシモン氏の人形とぱらぱら。四谷シモンの人形は、彼の中では作った人形ということになっていないのではないか?というくらい彼との縁が薄い感じがする。なんというか垢にまみれていない感じ。指先手先の仕事は込めるが、思いは込めない感じ。
つべこべ考えてもまったく的外れだろう。人形とダンスのことはよくわからん。
その後、ゴールデン街の「すみれの天窓」で珈琲で小休止。ティム・バートンの「アリス・イン・ワンダーランド」の次の新作「なふう」が展示中だった。むー「なふう」。負けてたまるかこの野郎。草むらの緑のギザギザ線だったら負けねえ、と、思いつつなにくわぬ顔で店を出たのだった。