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聖人の奇跡?「海水が甘い」と住民殺到 インド西部
インド西部ムンバイで18日夜、「海の水が甘くなった」とのうわさが広まり、数千人が海岸に殺到して海水を飲む騒ぎがあった。 というニュースがありました。まあ、そんなこともあるかも知れません。あっても別に驚くような事じゃないよね。大体塩辛いっていのが、そもそも驚きなんだもの。かなりしょっぱいですよ海の水。知ってますか? ぼくは去年の石垣島キャンプで、海水を薄めずに使って、スパゲティ・アーリオーリオ・エ・ペペロンチーニを作ってみたんですが、辛いのなんの!ショッペーなんてものじゃない。知り合ったばかりの豪傑、江口君とふたりでウワヅリましたからね。ま、めげずに全部平らげましたが…。 次の日は、リベンジです。再び石垣島の海水を使ったアーリオーリオ・エ・ペペロンチーニ。でも、海水は真水で2倍に薄めました。ふふふふ、これでイケたと思ったら大間違い。またもやふたりでウワヅリながら完食しました。 水汲み係の江口君に「倍に薄めた?」って聞いたら「倍以上に薄めた。」という話ですから、スパゲティを海水で作るときは、皆さん気を付けましょう。 意外に繊細なところがある江口君を発見した話でした。 で、もともと海が甘かったとしたらどうでしょう? わざわざ騒いで飲みに行きますかね? もともと甘い海の水に「しょっぱい」という噂が立ったら、みんな飲みに行くんじゃないでしょうか? だから、あのニュースを知って甘い海の水を飲んでみたいと思った人は、今のうちに塩辛い海の水を大騒ぎで飲んでおきなさい。という教訓なんですね、これは。(エェ?そう?) でも、渋かったらあんまり飲みに行かないかな? 苦かったらちょっとだけ試してみたくなるかも? まあ、グダグダとアホな話です。どうもすいません。 「水が甘い」という体験は、日本のいろんな土地で何度か体験しました。その中でも特に甘かったのが山ん城温泉。 鹿○島県○島温泉郷の奥、清流に温泉が湧きだして流れている場所があります。地元の方は行楽に、レジャーにと楽しんでいるので、秘湯というほどのこともないでしょう。ただ、あまりガイドブックには紹介されていないのと、何年か前に毒ガスが検知されて立ち入り禁止になっているのとで、ほとんど行く人も絶えているようです。 僕らが行ったときは道を間違えて、おそろしいほどの細い急坂道をグングン登って、引き返そうとしたときに非常に難儀した覚えがあります。路面が火山灰のような軽石の堆積なので滑りやすく、踏ん張りがきかず、荷物満載のバイクの向きを変えるのは大変でした。 実際は、道を間違わなければ難なく辿り着くことの出来る場所です。道に何台か車が停まっていたので、この辺りかな?と、バイクを置いて、人の入った跡を追って草むらを分け入りました。 道の脇にイノシシの死体が転がっていて、カナブンが集っているのを見て気味が悪くなりましたが、景色が開けたときは感動でした。 蒸気がそこかしこから立ち昇っています。清流に温泉が湧き出て明るい灰色に化学変化しています。地中から熱湯や蒸気が噴き出している地帯を、地獄と呼びますが、温泉好きには地獄はまったく極楽と同義語なのです。 川では、めいめい石で囲って自分の湯船を作っています。流れの遮り具合で湯温を調整します。不注意に川底の温泉噴出口を踏んづけてしまうと、飛び上がって悲鳴を上げることになりますから、くれぐれも注意が必要です。 同行のN氏が「ここで水を飲んでみぃ」と手招きします。ちょうど、清流と温泉が合わさる辺り。温度の差で水同士が交わりにくくなっていて、透明な山の水と白濁した温泉水が水と油のように境界を保ったまま流れています。そこで水を飲めと言うのです。何か企んでいるのかな?と最初は訝しんでいましたが、一口飲んで驚きました。 甘い水とはこのこと。 甘くてとろけるように軟らかくて冷たい。もう、がぶ飲みです。「人にやるもんか」な勢いでガブガブ飲んで、溺れそうにもなりましたが、それぐらいおいしい。日本には他にもいくつかおいしい水のポイントがありますが、水に入ってがぶ飲み出来るのはここぐらいかなぁ。 まず、プールなみに流れがあるので、どんなに欲深な人間でも飲み干すことは出来ませんが、企業が入ることはやめて欲しい。だからここのことはヒミツヒミツ。 現在は毒ガスが出て立ち入り禁止になっているので、ガスマスクの装備無しで行かないように。死んでも知らないよ。冥土のみやげにひとっ風呂って感じなら、推薦いたします。 ぼくの温泉ベスト1は他にあるけれども、日本の極楽ベスト1はここかな。 #
by magari_tumuzi
| 2006-08-21 19:37
| 温 泉
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名前は忘れてしまいましたけれども、多肉植物のタニクくん。隣のサボテンと一緒に、浜田山時代からの家族です。浜田山の後、下北沢生活が3年ほどありましたので、計16年ぐらい共に生活しています。 といってもベランダの向こう側に置いてあるだけなので、年に10数回チラと見るに過ぎません。とにかくビルの狭間の家なので、陽が当たりにくく、彼等も可哀想です。 でも、なにを吸収して生きているんだろう? それで7~80cm伸びる細い茎は、たいてい咲く前にポキッと折れてしまうので、白い花びらはだらしなく横向きになって、ビル風に揺れるのです。たぶん鳥がつつくんです。 昔はもうひとつ、卵を半分に割ったような多肉植物がいましたが、ブクブク膨らんできたと思ったら破裂してしまいました。植物の最期としては、滅多にない姿でした。 1980年代のTokai製。ブロンドという塗装で、木目が透けて見えます。いい感じで全体にボロくなっていてええですねぇ〜。特につまみ部分は得も言われぬ金属の曇り具合。 評判の良かったトーカイギター。本物を買えない貧乏学生の間では、当時のFenderはあまり評判が良くなくて「トーカイの方がエエでぇ」などと言われていたものでした。フェルナンデス製にしろグレコ製にしろ、日本製は親切にいろんな価格帯を設定していたので、全てが良かったというわけではないと思います。 最近80年代の日本製ギターが「ジャパン・ヴィンテージ」などと再評価され、チヤホヤされるようになるなどまったく思いも寄りませんでした。 それで、友人のテレキャスターを見てみると、ただ弦止めが三つ外れているだけでした。 80年代と同じパーツはありませんでしたが、よく似たフェルナンデス製の弦止め1個100円を、予備を含めて4個買い、ダダリオの弦を2セット購入。修理はものの30分で終わり、ナットを少し調整しておしまい。ロウ・ポジションのフレットがけっこう削れているので、摺り合わせが必要ですが、ぼくはやったことがないので、この辺はプロのリペア屋に見て貰った方がよいでしょう。 まあ、このままでも弦高はけっこう低くセットできているし、ビビリもほとんど無いのでしばらくはいけると思います。 ネックの握りがかなり薄めで時代を感じます。ぼくのテレキャスターはなんとなく50年代のテレキャスターを目指しつつも、どういうわけかローズ指板極太ネック。友人のテレキャスターもローズ指板ですが、ラウンド張りになっていて、指板がかなり薄い仕様になっています。写真で比べてみてね。ぼくの指板はフラット張り、またはスラブボードといわれる仕様です。なんか見た感じはラウンド張りの方がカッコイイよなぁ。 ソフトケースを買って、早く取りに来てあげてね。 修理終わってラーメン食べました。浅草なのに「元祖恵比須ラーメン」。入ってみると、ナント好もしくもサッカーのポスターとか色紙がいっぱい貼ってある。トルシエやジーコ監督のサインとか。アヤックスのタオルマフラーとか飾ってあります。 「レッズは方針を曲げてから勝つようになったよなぁ」とか、カウンター越しに客と話している。ううう、ラーメン屋で聞けるオヤジの会話としては最高峰かも? それで午後7時になったらテレビをサッカー中継にしてくれるのかな?と思ったら、細木数子のままだった。 #
by magari_tumuzi
| 2006-08-20 23:12
| その他いろいろ
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折りからの暑さのせいでオタク臭の充満した真っ昼間の秋葉原のとある一角。右も左もオタクと妙に堅物めいた電気関係者の体臭で溢れている。
電柱にもたれて客が戻ってくるのを待っていると、角から長髪にサングラスの男が人の流れをものともせず、一直線にこちらめがけて道を渡ってくる。 「お?やるのか?みうらじゅん。」と、身構える間もなく男はオレを掠めるようにしてビルジングに入っていった。男が消えたであろうタイミングで振り返ると、流行の癒し系施設『世界唯一妹喫茶』とか『Maloomメイドカフェ』のビルジングである。一点の曇り無くまっすぐにメイド喫茶へ向かう四十代のみうらじゅん、のっけからたいした奴を見かけちまったもんだ。 雲助タクシー、今日の客は大阪のマッド・サイエンティストUTSUNOMIAだ。最先端電子雑貨店「秋月電子」から戻ってくると、粗末な紙袋からレーザー素子を取りだして、「これは件のレーザーポインタ事件以来、大阪の日本橋でも、秋葉原でも店頭から消えて入手が難しかったんだ。これでやっとアレが作れる、ふふふふ」何が作れるか?超強力なスモークマシン以上のものはオレには想像できないが、それ以上のモノだということは確かだ。 次の日曜、映画美学校のオープンキャンバスで、「オーメン」3部作の音楽の旋律から、映画のストーリーから失われてしまった、或いは隠されてしまっている本来の最終章を読み解く試みをするようだ。 まったく21世紀になっても怪しい輩は元気があるぜ。 いつもの黒塗りベントレーを神田が休暇で里帰りなんぞにつかっちまってるもんだから、急用で仕事を受けたオレがポンコツのアルファロメオでUTSUNOMIA氏を渋谷まで送ンなキャならねえ。このアルファロメオってやつはクーラーを入れると寒いし、切ると暑い。どうにもうまい調整が効かネエから、窓併用で走りながらスイッチをいじりたおさなくちゃならねえ。まったく厄介な車だが、エンジンを回したときのクゥワァ〜〜〜という何ともいい感じは癖になる。まあ、廻したからといってそれほどスピードが出るわけじゃない。 内堀通りから新宿通り。四谷で信濃町方向に折れ、神宮外苑の森を抜ける。気をつけるのはこの辺りの藪に棲む蛾の一種。その蛾の銀鱗は、場末の神社に出入りの薬子(くすし)が陳腐な幻覚材に使う。 陽が傾いて森の逆光が無数の光の針となって車内を突き刺す。 出た。窓の前を横切るようにハラハラと飛ぶ大型の蛾だ。神宮外苑の国立競技場など大きなカーブを猛烈に加速する。窓の前を優雅にひらひら舞っている、憎ったらしい蛾の野郎。 青年館を曲がり青山墓地のトンネルを潜る頃には振り払ったように思えた。油断してUTSUNOMIA氏が窓を開けた途端、蛾はどこからかふらりと車内に入ってきて、ひとまわり銀の粉をまいて、また外に消えた。 客を宮益公園前のクロサワ楽器で降ろした。 案の定、さっきの蛾の羽の粉が効いてきた。晩夏に向かう西日がやけに眩しい。戯れ用の幻覚眼鏡のように事物が二重に重ね合わさり透明になったり、虹色を発光したりしはじめた。ヨイヨイの酩酊状態だ。オレとしたことがだらしねえ。 訳も分からず車を降りてパンテオンの巨大工事現場の前をオロオロ歩き、暑さと太陽から逃げるために地下のバーに逃げ込んだ。バーかと思ったら場末の居酒屋だ。 急な階段を下り戸を開けるといきなり三人席のカウンター。ふたり分はもう背を見せて盛り上がっている。 しかたなく空いた席に座ると「おー、運転手くん!」と隣から声が掛かって驚いた。見覚え無いが昔乗せた客か、細い足首にコンバースのバスケットシューズ。視界がグラグラしながら訳も分からず挨拶を交わし、世間話で生ビールを一杯。「椿」と紹介されたロリータがコンバース紳士の横で焼きうどんを食べていたように見えたのは幻覚か? そのロリータにオレを紹介する。「こちらはアンダーグラウンド・ハイウエイをひた走る雲助のつむじ君」と正体を知っている。こう言われてしまうとオレはこの人好きのする笑顔の男を思い出せないまま、知っているふうに装うしかなかった。「へえへえ、それで、旦那はどちらさんで?」などと今さら言えるもんかい。もしや異界の大旦那だったら八幡別当からど叱られちまう。 「ここ、少し上がって来ちゃったんだよぉー」と、でこの両側の髪の生え際が上がってきたのを指差して屈託無く笑う。 「思い切ってリーゼントにしちゃったらいいんじゃないッすかぁ?」と調子を合わせるオレ。 「髪が前向きに生えているからバックにならないんだよなぁ〜」みんなで大笑い。 何がおかしいのか、不思議におかしい。幻覚のせいか、この妙な人物が術を使っているのか? 「これから青い部屋で面白い催しがあるから」と、誘われるままに表に出ると、すでに陽は暮れて夜の渋谷。大型トラックのクラクションが見境無く行き交う人を脅かす。まだ酩酊が取れないので頭の中で反響し続けるのが辛い。 六本木通りと青山通りがY字に分岐するところを下から見ると中州の風景を思い出す。「ポーの一族」の「だれが殺したクックロビン」というエピソード。タイトルは忘れたが、ギムナジウムにやって来たバンパネラの捜しものの話。 それは置いておいて夜目にも眩しい舶来の蛾が二匹、ふわふわと前を歩く。蛾というか金子国義の絵から抜けだしてきた人形。綿菓子のような金髪に、クラウンの衣装の柄のふくらんだスカートのひとり。黒髪にエキゾチックななメイド服、見つめられると吸い取られそうなグレーの瞳のひとり。どこかの古い洋館の標本箱でずっと眠っていて、さっき目が醒めたばかりのような、すこしだるい感じの透明感がまとわりついている。 彼女らも「青い部屋」の客だった。後に続いて入室するときに見た、メイド人形の千円札を持つ白い手が、艶めかしく暗がりに浮かぶ。(三原ミツカズの漫画もかくや?) 中に入るとバスケットシューズの若い紳士は人に囲まれる。「青い部屋」はお洒落をした花のようなロリータファッションの娘たちがいっぱい。どういうことかわからず椿に聞くと、彼こそ、少年少女戯界の架空舞台のプラトニック遊技を描く七戸優という画家で、耽美退廃の乙女や人形作家たちから支持を得ている。のだそうだ。 「おー、何だこの悪趣味世界。面白すぎるぜぇ。」と、ひとり勝手に感嘆していると「これからだよ、面白いのは。」と、耳元で囁かれた。画家先生の声に聞こえたが、彼はあちらの席で談笑している。どうもあの先生は怪しい。 未だ幻覚から醒めぬのか、ジンジャエールを頼むが、ウィルキンソンでなくては覚醒効果は望めない。 舞台には一台のピアノ。出し物がひとつ、ふたつ終わり、みっつめに黒色すみれ。 舞台横の楽屋の灯りが大きくなってふたりが出てくる。 「お人形さん?」 おかっぱに花を飾った白いドレスの可愛い少女。小学生のように開いた口から、腐乱する直前の薔薇の花びらが零れ出てくる。毒色のビロードや妖精、盗賊の夜会や紅い約束の世界。七色のスポットライトと少女のかわいい革靴の踊る音。目の前に飛び出てくる怪しい舞踏会の光景。 ピアノを弾きながら歌うyukaの喉のやわらかさ。顎の下の膨らみを撫でてみたい衝動にかられる。ジル・ド・レが後ろから少年合唱隊員を抱きかかえて、ナイフを突き立てたあの柔らかい場所だ。 「いや、あの忌々しいジル・ド・レなんぞ、なぜ今思い出す? それにしてもバイオリンの彼女」 まるであやつりのからくり人形。 胸の扉を開けるといくつかの歯車と滑車が不揃いに並んでいて、リズミカルに連動しながら停止と活動を繰り返しているに違いない。バイオリンを弾く動きも、運指は驚くべき緻密さで流れるのに、弓の方はごく機械的にクイックだ。時にジンタの様に勇ましく、時に微かなささやきのような懐かしい旋律。 横顔の頬の膨らみから、初めての口紅に慣れないかのように突き出ている下唇。伏せた瞼がひとたび開かれると、だれもがその視線を独占したくなる妖しさ。誰をも見ていないようで、見るのもの全てに開放されている大きな瞳は、マダム・エドワルダそのものだ。目を閉じるたびに少女に隠れ、開くたび娼婦へと変幻自在のあやかし。唇の端を折り曲げて薄い笑いを演出すると、追っかけの男どもはもうメロメロ。 「あぶないあぶない、正体を現せ。見破ってやる、このもののけめ…」 迎合と突き放し、揺さぶりと魅惑の魔術の源は、ピアノを弾きながら歌うyukaなのか? 観客など一顧だにせず歌い続ける、くぐつ使いの禁欲のロリータか。客を魅了し続けるバイオリンのsachiと対照的に音楽に向き合うyuka。解読しようとするオレの瞼には、蛾の幻覚でひとりがふたりに見えてるのかふたりがひとりなのか、どうなってるんだかわからない。これは舞台袖に置かれた薔薇の花の幻惑か。この空間に集まった架空少女たちの催淫作用なのか。 またバイオリンのsachiの視線がサーチライトのように廻ってくる。マイクのないところで唇が開いている。 「あ、あいつ!」 sachiの口ずさむ歌が聞こえた瞬間に氷解する謎。少女にして娼婦を演じるバイオリンの姫、sachiこそが人形遣いにして、人間人形。ピアノのyukaは、歌劇を口ずさみつつsachiを操るかに見えて、実は彼女のバイオリンの軌跡に操られる歌劇のからくりだったのだ。 「それは深読みというものだよ」と、また耳元で囁く声。 「む?」と画家を見ると、こちらのことなど意に介さずニコニコしながら舞台を見ている。 全ての演奏が終わり「黒色すみれ」の魔術から開放される。すべて明るく楽しい暗黒夜会だった。オレの下らぬ解釈は、ただ蛾の幻惑によって渦巻いた単なる妄想だった、と知らされる瞬間だ。 舞台を終えた少女達は、サロンに降りて世間話やファンとの挨拶に花を咲かせる普通の乙女だ。オレは安堵したような残念だったような複雑な気分だった。 そろそろ戻らなければ親方に叱られる。まだ少し頭はふらつくが運転に差し障るほどでも無かろう。画家と椿が挨拶を済ませて外に出るのの後に従った。 出口近くのバー・カウンターで、グラスを手にしているyukaの背中に、sachiの手が入っているように見えたのは、気のせいか? もう、そんなことはどうでもイイや。オレは黒色すみれに惚れちゃったなぁ。 #
by magari_tumuzi
| 2006-08-19 17:12
| 美 人
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一番手前が新入り君、クララことTelecaster型エレキギター。最近まで「テレキャスターへの道」でおなじみ、難産の子でした。 ネック単体で0.6kg、ボディー1.7kg。ペグ、ピックアップ、電気部品など入れた総重量が3.05kgです。実際は軽い木材ではないマホガニーボディーが中空構造になっているので少し軽めです。先日、立ち読みのギターマガジンでは、この中空構造(チャンバー・ボディ)のギターが特集されていて、バツが悪かった。何だかちょうど具合の悪いことにトレンディーな物をつくっちまったワイ。 結論で「音が丸くなる」などと書かれてあって、ややがっかり。ぼくはシャープでカリカリにワイルドな音が好きなの。ピンクフロイドのanimalsの「Dogs」のデビッド・ギルモアのソロが最高に好きです。でも、歪ませた丸い中音が特徴のマーク・ノップラーも大好き。ま、ふたりとも愛器はStratocasterです。 それで二番目がStratocaster型自作エレキギター。はじめて作ったのです。まあ作ったと言っても、部品を集めて組み立てたに過ぎません。部品はオークションで安物を買っているのでたいした金額にはなりませんが、それでも10万円ではよう売りません。 このネックは高級品でUSAカスタムギターというところで作ってもらった一品で、送料込み4万円ぐらいかかりました。元はといえばこのギターのボディを何となく買ってしまったのが原因です。オークションで「軽い」!と書いてありましたから、ついうっかり競りまくってしまいました。軽いギターがぼくの憧れでした。 たしかアッシュの2枚合わせで、1.8kgぐらいだったと思います。ネック単体は忘れてしまいましたが合計で3.15kg。 これぐらいなら1時間ぐらいライブでぶら下げていても大丈夫。でも、ライブなんかやってたまるか!?やるの?やらない?やったとして弾くの?ひかんの? まーどーでもいいや。 その奥が、Fender Stratocasterです。この3本でファンシーな雰囲気を醸し出しています。「ハンプティ・ダンプティ・ハロー・キティ!」なんて曲を弾いたら似合いそうでしょ。 その奥がGibson。その奥が激重のYAMAHA SG2000。激貧の大学生のぼくに、これを売りつけた楽器屋の筒井さんによると、「ヤマハの工場でサンタナが弾いたンや」ということでした。ぼくは当時も今もサンタナが嫌いですが、なぜかギターだけここにあります。話がホントかどうかは知りませんが、手に入れてもう25年以上経ちます。 真っ黒に見えますが、透明なブルーを重ねた色で、磨けばとても美しい艶を放ちます。 テレキャスターは弾いてみるとワイルドそのもの。中空だから丸い音?というほど丸い感じはしません。ガツンと弾いてやると音が暴れまくるので、ついつい音量を絞ってしまいます。 テレキャスターは弾いた弦の音を全部拾って出そうとしているようで、バネやトレモロユニットの構造を持つストラトキャスターの、何かしら含んだようなダンディーな振る舞いとはまるで趣が異なった鳴り方です。 しかも高音など遠慮無く弾けてカキンカキン耳にいたくて大変。これもついついヴォリュームを絞りたくなる要因。田舎のロデオで汗と埃にまみれてるみたいな楽器です。下手は乗りこなすの大変ですよ、これ。クララって名前でいいのかなあ? う〜〜、弾きづらいよぉ〜〜ん。でもなんか嬉しいのよ〜〜ん。 #
by magari_tumuzi
| 2006-08-17 22:33
| 楽 器
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まずなんと云っても出で立ちが颯爽として軽やか。飛び跳ね、クルリ回転、片足おどけてトントトトン♪楽しくて仕方がない。 宮城から岩手の地域に縁があるか、宮沢賢治が好きな方以外は「鹿踊り」と聞いてもピンとこないのではないでしょうか。ぼくは宮沢賢治の「鹿踊りのはじまり」を読んで、その方言の面白さに笑い転げたので、忘れられるわけが無いのでした。 2000年のお盆に東北をツーリングしていて、たまたま遠野の山奧の神社に張り紙をみかけました。 「鹿踊りあります。○○日○時」 「やります」だったかも知れない。習字のようなさっぱりしたポスターならぬ張り紙。『お?あの鹿踊りのことか?』と心は躍れども、帰る途上にあったので遠野で一日を待つわけにはいかず、通り過ぎたものの気になっていました。次の日、コンビニで見たポスターに、ついに抗えず、日程を延ばして江刺市の「百鹿踊り」に出会いに行ったのでした。 去年はその感動をもう一度という思いで、録音機を持って出掛けてみました。 東北のお盆の一日。古い街並みの残された江刺の市街は小さいですけれども、日本の懐かしい風情が灯されます。夕方になると各家の前では主人が椅子を持って座り、盆に木をくべて、送り火が焚かれます。 そこを角付けするように、鹿踊り団体が廻っています。鹿踊りの基本は鹿が八頭でひとまとまりとなって踊ります。円陣を作って太鼓を叩きながら縁起物のやりとりを演じているようです。 かなりいろんな流派が残っていて伝統を継承していこうという勢いを感じます。 詳しくないので説明が出来ないのですが、叩くのは太鼓ばかりではなく、頭に付いた「ささら」状のものを時々地面にザザ〜となすりつける音もポイントになっています。リズムは単純な拍子ではなく、「節」を歌うといった感じで、単純なノリを求めようとすると時々スカされます。 夜7時頃、街の真ん中の広場にて、長老衆が大勢座る前で儀礼的な「藤原秀衡」だか誰だったかに向けての供養演舞。ここ江刺からは遠くない平泉中尊寺、藤原氏に何か関係があるのかも知れない。 ひととおり演舞が終わると、見物人は人首(ひとかべ)川へ移動。 橋の上でご詠歌が歌われ、初盆を迎える霊を冥途へ送る精霊舟が流される。初めて見たときは婦人連が錫杖をうち、鈴の音にもの悲しい合唱が川面を流れたものだったが、去年はどういうわけかおっさんのマイク合戦になっていて辟易。イタリアのサッカーの応援もかくや。 もの悲しい歌に押されて、流される小さな屋形船には花火が仕掛けられていて、爆竹が爆ぜ、色とりどりの火花をなびかせながら川を下って行く。この一年で亡くなった人たちを皆で送る、けたたましくも静かな盂蘭盆の催しです。 次に「花火大会です。」という町内放送で案内される花火大会は、いかにもしみじみとしていて美しい。貧乏といっては悪いけれども、花火ひとつひとつを惜しそうに、とーーん、とーーーん、と間をおいて打ち上げる様は、都会のあわただしい花火合戦とは趣が違っていて懐かしい。 それが終わると、街に戻って辻をいっぱいに行進する百鹿踊りの演舞です。これがもう最高に勇ましい。鹿踊りは鹿の仮面を付けているので、これが「異界の異形のもの共だったら!」と思うとドキドキする。ともかくカッコイイ。まさに百鬼夜行の様相。みちのくにはまだ妖怪が棲む闇が残っている。 いくつかの流派の団体に集まってもらっているので、節を合わせるのも大変なことだろうと思われ、まとめ役の方も大変だと思いますが、また観に行きたいので、ずっと続いて欲しい。江刺市ももっとちゃんと広報すればいいのに。 前日に江刺市のビジネスホテルに電話したらあっけなく予約が取れた。拍子抜けとはこのこと?いつもひとりで突撃しているので、記念写真タイムなどあれど、自分の写真が撮ってもらえない。 浅草あたりで誰か教えてくれないかな? 鹿踊り、やりたい人集まれ! #
by magari_tumuzi
| 2006-08-17 13:10
| 旅 行
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