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昨日の朝、暖かだったのでスタッドレスタイアを普通のタイアに交換した。
外したタイアをよく見ると、後輪の内側の角が45°にスパッと削れている。1.5センチ程度だけど山が無くなっている。こりゃあナニが原因なんだろう?タイヤが斜めに着いているわけじゃないと思うが……? それでタイアを運んだり洗ったりするうちに腹筋を使いすぎたのか、体中やれてきた。 そういうときは温泉に限る。というわけでまた稲村ヶ崎温泉。浴場に入るとむっと甘いシロップの匂い。なんだこれ。入ってヌルヌル。愉しやたのし。 露天からサウナに移動。サウナは何度入っても慣れない。狭くて燃えるように暑い。緊張して動悸がごっくんごっくん。限界で飛び出て、掛け流しの水風呂に入る。 ![]() 最初は冷たいのだが、じっとしているとまるでなにも感じなくなるのには驚いた。目をつむると心臓からの特急列車のごとき血流を感じる。木の揺れる音、駐車場に入ってくる車の音、女湯の話し声、稲村ヶ崎に寄せる波の音、遠い江ノ電の音。 遠い音やかすかな気配が押し寄せてくる。体が無くなってしまったかのようだが、血管がどどどどど〜〜と脈打つ。ドックンドックンというのは嘘だな、などと思ったり。「We call it Riding the Gravy Train. 」(pinkfloyd[have a cigar])という一説を思い出したり。どういう意味? 昔、「アルタード・ステーツ」という映画で、カプセルの中で重くて温かい液体に浸かっていると、生命の起源にさかのぼり太古の記憶を体験してしまう、というようなのがあった。すごく好きな映画だったけど、ああいう感じ。 そのカプセル風呂、映画から程なくして二子玉川のスポーツ施設の地下に営業を始めたけれど、また最近そういうのが流行っているとも聞く。稲村ヶ崎温泉のサウナ&水風呂で充分だ。 この温泉の重曹のヌルヌル成分が皮膚のまわりに層を作るのだろうか?それが冷たい水の部分と体温を隔てる衣となって無感覚を生むのだろうか?水風呂から上がるとびっくりするほどへっとへとになっていた。こうした体験は、栃尾又のラジウム温泉の冷泉の寝湯でもなったことがある。へっとへとのへとへっとだった。 ![]() この頃、クチナシと一緒に眠っている。 温室で咲かせたやつを買ったのか花がついていてとても強く匂う。暗闇にやわらかい白い匂いが漂い妖艶でさえある。 葉が柔らかいので猫が嚙んではプイプイとガムのかすのように吐いておくので困る。クチナシが来る前は、奥のジャスミンの葉を嚙んでいた。猫の連中、だからといって猫草を置いておいても見向きもしないのはなんだ!? More
朝起きて頭痛。昨晩「第三のビール」というやつを半分呑んだのが原因か?
メリーさんと川口さんとかわいしのぶさんというすごいメンツのライブを観に行くのをあきらめた。 かわいさんは逆さま言葉遊びの名人で、某Gちゃんに言わせると「つぶす」対象だそうで、女性ベーシストは全員つぶすのだそうだ。売れっ子に怯えるGちゃんの一面?そのくせ「MトロFルスで、ギター弾きてぇ〜」と嘆いていたという噂もある。(注)酔っぱらいの冗談。 昨日は「風が無く蒸し暑い一日。」と、思っていたら強風波浪注意報が出ていたとか。 遊泳注意の黄色い旗がなびく由比ヶ浜で沖に流されて、若い人がふたり亡くなったらしい。見知った海岸の空撮映像をニュースで見て驚いた。と同時に、「ぼくたちの海で申し訳ないことをした」という奇妙な地元意識みたいなものがあってびっくり。引っ越してきたばかりの新参者なのに。しかも由比ヶ浜はずっと遠い海なのになんとなくそう思えてくる。 ![]() 早く行くと混でそうなので、水戸黄門の再放送を見て七時頃出た。西村晃はいいなあ。 海沿いの国道134号線。(さっき人が溺れた)海を横目に走る。クーラー壊れっぱなしなので窓全開にするとけっこう強い風が吹いている。これが家に入ってこないとは何事じゃ?崖のせいで或る方向からの風はまったく家に入らないということが判明。 対向車線は鎌倉から西湘バイパスまでぎゅうぎゅうすし詰め状態。それを横目で「帰りもこうだったら恐いな」と思いつつ快適にドライブ。あれ?朝頭痛かったよな。と、思い出したり。 箱根の天山も思っていたより空いていた。なにしろ男湯はだれも友人同士で来ていないのか、話し声がひとつもない。黙々とみな風呂に入り、水を浴び、身体を流す。ときどき「むはーー」とか「うう〜〜ん」とかいう息が聞こえるばかり。子供もいないので突然波が立つことも、飛沫を浴びることもない。そしてコオロギが風流を添えている。虫の声は自慢じゃないがウチの方が何十倍かこの山中より多い。しかしこれくらいの方が余程いい。 ![]() これがA感覚? などとてんでとんちんかんなことを思ったりする。 温泉を堪能して食事。いつもの麦とろご飯定食。 麦飯を食べながら「デイタンソウデイタンソウ」と脳裏で繰り返す言葉。何じゃデイタンソウ。 「泥炭層」?「デイ」?「タン」?「ソウ」? ?な〜〜〜んも関係ない。 また、夜に沈んだ海沿いの道を走って帰った。すっかり渋滞は解消されていて快適だった。 ![]()
前の日記で、野球ボールを拾ったくだり。
あの小さな玉を遠くからものすごい勢いで投げたのを打ち返す。走って捕球して投げ返す。宇宙規模で考えれば、ドジャースタジアムのピッチャーマウンドで投げたボールが、ドジャースタジアムのキャッチャーのミットに収まる、というのはものすごい確率でンなかトか。 彼ら野球選手って、すごい。大したもんだ。えらいえらい。WB…(あれ?なんだっけ)のときもっとほめておけば良かった! ![]() (自分に褒美とか言うなバカ、とかひとには散々言ってても此れでごわす。) 午後8時ぐらいに出て海沿いの国道を行くと、どうも何かに見られている。気がつくとそれはまん丸お月さんだった。水平線の上辺りをずっとついてきて、車の窓からニコニコ笑いかけてくる。余計なお世話ですタイ。 とろとろ走って約50km、1時間。いつもの天山。とはいってもずいぶんと久しぶり。 平日の夜なのでガラガラ。ちょうど建物の上に顔を出した月を眺めながら寝転んでざぶざぶ湯浴み。 ![]() しばらくして太った人が近くに入って来て「ふぅ〜〜〜」だの「うっうう〜〜」だの「はぁあああ」だの言う。気持ちはわかる。しかし大きな人が近くにいると圧迫感で寛げないので、別の狭い浴槽でのんびりしていたらそこにも来た。「はっあ〜〜」「ふうううう」とか言う。けれども入る時にやけに礼儀正しい。「前を失礼します」とかとか。悪い人じゃないんだな…。 別にワイルドオヤジもそのぬるい浴槽に出入りしていて、ガニマタの開き方が春日以上で、しかも出るわ入るわ忙しい。熱い湯と温い湯に交互に入って代謝を高めようというのだろうか?やれやれせわしないことである。頭にバンダナを巻いたようなヤツにろくなのは居らん、と、固定観念帖に書いておこう。
聖人の奇跡?「海水が甘い」と住民殺到 インド西部
インド西部ムンバイで18日夜、「海の水が甘くなった」とのうわさが広まり、数千人が海岸に殺到して海水を飲む騒ぎがあった。 というニュースがありました。まあ、そんなこともあるかも知れません。あっても別に驚くような事じゃないよね。大体塩辛いっていのが、そもそも驚きなんだもの。かなりしょっぱいですよ海の水。知ってますか? ぼくは去年の石垣島キャンプで、海水を薄めずに使って、スパゲティ・アーリオーリオ・エ・ペペロンチーニを作ってみたんですが、辛いのなんの!ショッペーなんてものじゃない。知り合ったばかりの豪傑、江口君とふたりでウワヅリましたからね。ま、めげずに全部平らげましたが…。 次の日は、リベンジです。再び石垣島の海水を使ったアーリオーリオ・エ・ペペロンチーニ。でも、海水は真水で2倍に薄めました。ふふふふ、これでイケたと思ったら大間違い。またもやふたりでウワヅリながら完食しました。 水汲み係の江口君に「倍に薄めた?」って聞いたら「倍以上に薄めた。」という話ですから、スパゲティを海水で作るときは、皆さん気を付けましょう。 意外に繊細なところがある江口君を発見した話でした。 で、もともと海が甘かったとしたらどうでしょう? わざわざ騒いで飲みに行きますかね? もともと甘い海の水に「しょっぱい」という噂が立ったら、みんな飲みに行くんじゃないでしょうか? だから、あのニュースを知って甘い海の水を飲んでみたいと思った人は、今のうちに塩辛い海の水を大騒ぎで飲んでおきなさい。という教訓なんですね、これは。(エェ?そう?) でも、渋かったらあんまり飲みに行かないかな? 苦かったらちょっとだけ試してみたくなるかも? まあ、グダグダとアホな話です。どうもすいません。 「水が甘い」という体験は、日本のいろんな土地で何度か体験しました。その中でも特に甘かったのが山ん城温泉。 鹿○島県○島温泉郷の奥、清流に温泉が湧きだして流れている場所があります。地元の方は行楽に、レジャーにと楽しんでいるので、秘湯というほどのこともないでしょう。ただ、あまりガイドブックには紹介されていないのと、何年か前に毒ガスが検知されて立ち入り禁止になっているのとで、ほとんど行く人も絶えているようです。 僕らが行ったときは道を間違えて、おそろしいほどの細い急坂道をグングン登って、引き返そうとしたときに非常に難儀した覚えがあります。路面が火山灰のような軽石の堆積なので滑りやすく、踏ん張りがきかず、荷物満載のバイクの向きを変えるのは大変でした。 実際は、道を間違わなければ難なく辿り着くことの出来る場所です。道に何台か車が停まっていたので、この辺りかな?と、バイクを置いて、人の入った跡を追って草むらを分け入りました。 道の脇にイノシシの死体が転がっていて、カナブンが集っているのを見て気味が悪くなりましたが、景色が開けたときは感動でした。 蒸気がそこかしこから立ち昇っています。清流に温泉が湧き出て明るい灰色に化学変化しています。地中から熱湯や蒸気が噴き出している地帯を、地獄と呼びますが、温泉好きには地獄はまったく極楽と同義語なのです。 川では、めいめい石で囲って自分の湯船を作っています。流れの遮り具合で湯温を調整します。不注意に川底の温泉噴出口を踏んづけてしまうと、飛び上がって悲鳴を上げることになりますから、くれぐれも注意が必要です。 同行のN氏が「ここで水を飲んでみぃ」と手招きします。ちょうど、清流と温泉が合わさる辺り。温度の差で水同士が交わりにくくなっていて、透明な山の水と白濁した温泉水が水と油のように境界を保ったまま流れています。そこで水を飲めと言うのです。何か企んでいるのかな?と最初は訝しんでいましたが、一口飲んで驚きました。 甘い水とはこのこと。 甘くてとろけるように軟らかくて冷たい。もう、がぶ飲みです。「人にやるもんか」な勢いでガブガブ飲んで、溺れそうにもなりましたが、それぐらいおいしい。日本には他にもいくつかおいしい水のポイントがありますが、水に入ってがぶ飲み出来るのはここぐらいかなぁ。 まず、プールなみに流れがあるので、どんなに欲深な人間でも飲み干すことは出来ませんが、企業が入ることはやめて欲しい。だからここのことはヒミツヒミツ。 現在は毒ガスが出て立ち入り禁止になっているので、ガスマスクの装備無しで行かないように。死んでも知らないよ。冥土のみやげにひとっ風呂って感じなら、推薦いたします。 ぼくの温泉ベスト1は他にあるけれども、日本の極楽ベスト1はここかな。 ![]()
NHKの番組で一番は、と聞かれたら、まず「ふだん着の温泉」をおいて他にはあるまい。
(などと温泉好きの文豪の気分で書きだしてみた。) この番組は、地域に根ざした共同温泉浴場とゆかりの人の物語とか、宿の湯守の話とか、孤立した秘湯に集まる常連さんたちのドラマとか、地味ながらも味わい深い作品になっている。 温泉の文化は、古くから我々の生活に根ざしているものなので、各地の風俗や風土を改めて確認できます。これから決して増えることのない日本の精神の伝承者たちの営みを垣間見ることが出来ます。 これがこの番組の良いところです。決してお婆さんやお爺さんたちのヌードを楽しんでいるわけではありません。 「日本の精神」て、まったくおおざっぱな言い方ですけど、清流やささやかな湯の恵みを慈しむ心と言っておきましょう。風土の中から少しだけ「借りもの」をするようにいただく心ですかねぇ。「愛国心」などという猛々しいものとは違いますよ。「愛国心」のせいで日本の山河や古い街並みは、そこに棲んだ人ごとずたずたになっているのですからね。空襲、空爆と同じかそれ以上の破壊力です。 ![]() 日本の水系はコンクリートに始まってコンクリートに終わっています。コンクリートに両側を挟まれていて、はさみ将棋なら負けです。(たくさん取られちゃったなぁ〜って感じ。) 日本はかつて秋津州と呼ばれたそうです。秋津というのは蜻蛉のことで、蜻蛉が綺麗な水に棲むのは有名な話です。(間違ってたら御免。)その蜻蛉を絞めようというのが日本の向かっている行政の方向なのです。 いやいや、テレビの話です。 その「ふだん着の温泉」、最初は毎週金曜日の9時45分から放映していました。一週間の仕事が終わって、お茶を飲む、そのちょうどよい時間でした。それが急にある日からどこかに行っちゃった。時々偶然にBSで見かけたり、テレビ覧で見かけて「まだ続いているんだぁ」とため息をついているという有様でした。NHKの番組編成はもう出鱈目。 それがさっき午前1時から放送。一体誰が見るんだろう。ターゲットの視聴者はもう夢と墓場の中間点。サッカーでもポルノでもないのに誰がこんな深夜まで起きてみるかね? 「ふだん着の温泉」今日は山形県の山の中の大平温泉。説明のしにくい地味な内容でしたが心を打たれました。こういう番組を横に置いてしまうというのも、行政の過ちのような気がしませんか?
ブログを書いていても、このシステムについてわからないことがいくつかあります。
まず、「リンク」を左のメニューに表示したいのに出来ないこと。他の人のところのブログにはあったと思う。それから依然わからないのは「トラックバック」というの。友だちのブログで聞いたら「トラックがバックすること」とやられた。「バックにご注意下さいというのが、ときどきガッツ石松にご注意下さいに聞こえる」ということだそうです。なるろなるほろさもありなん。良い友だちだ、君は。 ふんどしの長さというのも、わからないことのひとつです。知ってますか? ![]() 昨日は7時起き。朝食取らずにバイクに跨り一路DUCATI F1の集まる「ブルーベリー駐車場」へ。エンジン掛かって良かった!曇り空で覆われた関東地方、天気が不安でしたが、途中のSAにはツーリング野郎がいっぱい。ホットドッグ屋のおばさんに「今日はバイクが多いね。何かあるの?」と聞かれました。「F1が集まるんです。」などとは応えない。このたくさんのバイクの中でF1はぼくのだけ。ほとんどハーレーとカワサキです。 『男ならカワサキに乗れ』。大型バイクといえばカワサキかハーレーになるんでしょう。男らしさの演出。ワイルドガイ。力強い荒くれの象徴。マレットヘア。そういうのは苦手。ぼくは黄緑色のに囲まれるとどーもげんなりしてくる。1台で見たときには嫌いじゃないけど。最近女性もこの手のでかいのに乗られる方が多い。 まあ、ぼくも集まりに行くのだから人のことは言えない。 関越道を分岐するまでセンター分離帯の並木が「例の白い花」で、いい匂いこの上ない。バイクの上でくんくん深呼吸。上信越道を群馬県富岡のあたりからしばらくは、妙義山を中心とするギザギザ頭の山並みを見ながら走る。「魔弾の射手」を指揮するタクトの軌跡をなぞったような激しい山並み風景。 そして碓氷軽井沢出口の巨大岩を見あげる風景がいい。(「高岩山」そのままんまかい。)高速を降りるとワインディングが待っている。ポルシェの後ろを快適について走る。中軽井沢から峰の茶屋脇を抜け、有料道路「浅間白根火山ルート」に入る。浅間山山麓の木立をまっすぐな道がのびているその辺の駐車場。どかーーんと、浅間山が丸ごと見える。噴煙が未だ出ている活火山で、最近ようやく噴火口1kmまで危険地帯が縮小されたそうです。 早く着いてしまったので30分程度芝生の上で寝ころんで待つ。アイドリングしていたバスが去っていったときの静寂。ヒグラシがもう鳴き始めている。蛙も鳴いている。小鳥の声も聞こえる。ベチベチベチ…ハーレーが単独で通り過ぎる。デュルルルルという音はBMW、大人の水平対向エンジン。フォォオ〜〜、カワサキ軍団はHGっぽい。ダウダウガウガウ…DUCATIがやって来た。 ![]() 2時間ほどトラブル自慢と、メカ話。人のバイクの見慣れない部分の研究。などなど。通好みバイクなので外見は似ていても内容は全部一台一台違っていて話し出したらきりがない。中でも一台参加のbimota DB1がひときわ目を引いていた。世の中にカッコイイバイク数あれど三台あげろと云われたら必ず入る1台。エンジンはDUCATIを少し改造して使っている。外装にまるで覆われてしまっているパイプ・フレームが美しい。官能性能の一台。ふたり乗りが出来ないのであきらめたが、DUCATIでも結局ふたり乗りしないのでbimotaにすれば良かった? 午後1時に散会。ぼくは、ここまで来てただ帰るのはもったいないので、少し足を伸ばして万座まで行くことにした。毎年3〜4度ほど通う万座草津ルートですが今年はまだ来ていなかったからね。鬼押し出しあたりで皆さまにバイバイしてひとり白根山に向けてワインディングでたどたどしいダンス。山にぶつかった雲が木立の隙間から路上に溢れてくる。霧とはならずに舞い上がって消えていく。 万座の山はげ地帯を見下ろすあたりに来ると硫黄が臭ってくる。いつもの日帰り入浴。 脱衣所では風呂の世話人がふたりで話している。「日曜も出なんだ?」「今日は苦湯を入れ替えたから」云々。「苦湯」はここのホテルの売りです。昔は下の渓流沿いの粗末な小屋で浴しましたが、小屋が鉄砲水か何かで流されて以来こちらに移され眺めも良くなりました。以前の小屋は窓のない茶色い木造の室内で、ひとつの湯船を男女別に青いアクリルで仕切っていたため、ミョーな色の混ざり具合で視界が変になりそうでした。それもまた面白かったんですけど。 服は棚の篭に入れるふうになっているのですが、得体の知れない布きれが棚の中段の篭七つを横断して占拠している。「あれ、なんだ、ありゃ、白い布」と湯の世話人の話し声だ。「ありゃ、ふんどしだ。朝からあんなにして置いてあるから棚が使えねえんだ」「朝から?」「あー、お客さんどこ行っちゃったのかナー。」 お客さん、どこいっちゃったの?ふんどし残して? ふんどし全長1.5メートルぐらい。意外に長い。どこをどう巻いたら消化できるんだろう、その長さ。素人にはわからない。 「苦湯」も良いがぼくの気に入りは「姥湯」。ちょこっと設えられた露天に姥湯と苦湯を混ぜた「姥苦湯」が作ってあって、そのぬるい湯を楽しんでいると子供がやってきた。子供は温泉の天敵である。子供と張り合うのもめんどくさいので内湯の姥湯へ逃げ込んだ。「姥湯」はやわらかい。白濁した硫黄の香りからピリピリしそうな感じですけど、さにあらず。波立ちにとろみはないけれども、これが無性に立ち去りがたいやわらかさで包んでくるのだな〜。 もう一度ぬるい湯を浴びてから風呂を出た。子供の父が湯船の縁に座って山を眺めていた。子供はありったけの湯を外にこぼそうと躍起になっている。ぼくは檜のへりに座る父親の背中を見ていた。小さな湯なもんで仕方がない。 誰も彼もが無理な露天風呂を望むので、温泉主人は沸かしたり混ぜたり掘ったり循環したりしなくてはならなくなる。ささやかな湯船に真面目なお湯が溢れている、こんなお風呂がぼくの天国なのさぁ〜。 あ ば れ ん ぼ の 父 の 背 を 見 し 湯 こ そ あ れ 後ろ姿を見るとなく見ていたら、左手の小指がなかった。む〜〜〜ん。背中にホリモノは無かったですけどね。ありがたい湯に満足して出ると、ふんどしはすでに無くなっていた。ということはふんどしは、あの父さんの物ではなかったというとことだ。「死んでもらいやす」などと無用な空想するべからず。 温泉で体力的にはへとへとになりながらも、気分がリフレッシュされているのでバイクの帰り道も楽しい。緑の山道を楽しんで、高速の渋滞もなんなくスカして7時半頃帰宅。 家の近くで「姫」と書いた半纏の連中が騒いでいる。玉姫神社の祭礼のようだ。 事故の多い近所の交差点は道で分けられた四つの地区がみな違う氏神で、それぞれ素盞雄(すさのお)神社、玉姫神社、千束稲荷、三島神社となっている。四つの神さまがよつ巴になっているので事故が多いのだと言う人もいる。その素盞雄と玉姫の祭礼が重なっている。クタクタだったが面白そうなので素盞雄神社に出掛けてみたら、南千住にこんなに子供がいたかというぐらい子供でいっぱい。ふんどしの若い衆もいっぱいだった。ここの神輿は振り子をさかしまにしたように「神輿をぶんぶん振るのが凄いのだ」と、昔南千住の友人に聞いたが、ホントだった。 今週は我が氏神の三島神社の祭礼です。 ![]()
ぼくの友だちにはひとり、ぼろんじがいる。ぼろんじは虚無僧のことです。虚無僧とは深編み笠をかぶって尺八を吹く武士の僧のことです。間違っていたらごめんよ。ネットで調べておくんなさい。「隠密剣士」がよく変装に使っていました。昔は虚無僧に憧れていろんなものをかぶったものです。尺八の音色は実際に訊くと、力強く空間を奮わせる力があります。それは本当におどろくほどです。というか名人の手にかかると、よい楽器はすべてそういう音を出すものです。
澁澤龍彦の『ぼろんじ』という作品には温泉の本質が書かれてあります。時を通して水の中に記憶を投影すること。ヴォネガット風にいえば『クロノシンクラスティックインファンティブラム』。あるいは湯の峰温泉の壺湯。 それは温泉に限ったことではなくて、あらゆる場や音にも共通することなんですけどね。日本人はそういう観念を忘れちゃってるのか、古いもの、ようやく今まで貧しさの中に残されていたものを壊しすぎるように思えます。明治以降、さもしい根性の染みついた我々日本人には、かつて小泉八雲が愛した細やかなやさしさや親切心を理解できなくなってきているのでしょう。卑しいと云ってもいいかもねえ。 まあそんなこたぁどーでもいーですね。みんな好きにやってんですから。好きにしろっちゅうねん。してろっちゅうねん。してるっちゅうのよ。 に ほ ん 消 ゆ コ ン ク リ ー ト や 愛 国 や 今日は温泉に行ってきました。といっても日帰り温泉。百観音温泉。うちから往復100キロぐらい。近場で後楽園のラクーアも悪くないですが、新たに露天風呂が増設されてグッとよくなりました。雨のそぼ降る露天風呂というのも悲しくていいじゃないですか。都内の温泉も塩味ですが、ここのは鉱物臭がつよくて今日の気分にピッタシ。 出来た頃の百観音温泉は幅1.5メートルくらい、長い溝のような露天風呂しかありませんでしたが、おじさんの手仕事っぽくてすごく好きでした。巨大ミミズの冬眠跡みたいな露天風呂でした。 < 前のページ次のページ >
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