昼までテントの前で写真を撮ったり、メールをしたり。
たまにどこから迷い込んだか?若い女性が浜に遊び始めると、キャンプ場裏の黄色く怪しげな海の家からおっさんが現れる。どこで見ているのか必ずやって来る。三線を弾きながら浜を流して声をかける。すると不思議なことに10分もするとたいていの女性たちはみんなその海の家に着いて行く。
左から:江口くん 鶴くん
隣の鶴くんがテントをたたんで旅立つというので江口くんと見送り。自転車に付けた牽引車は、なにやらの外人の旅人から譲り受けたもので、日本に一台しかないと自慢していた。と、思う。
午後、今日も知花食堂に行こうと歩いていたら江口くんに会う。
「そばでも食いにいこう」と、言うと
「シンスケの店があるので行こう」と、逆に誘われた。米原キャンプからバイク2台で出発。
シンスケってなんだ?と、思ったら島田紳介のことだった。それがまた地の利もなんにもないただの「そんなとこ」にある。まあ島自体が小さいので石垣島のどこからでも30分ぐらいあれば来られる。レンタカーの女子とかカップルとかに人気のお店だった。
石垣島ビビンバ1000円! せっかく石垣島まで来てこんなところで飯を食べるのは「時間の無駄だ。」と、人情派の紳助も必ず思うと思う。ヤクザな商売を考えるものだ。知花食堂のそばなら心まであたたかくなって300円ぐらい。
帰りは江口くんと分かれて別行動。東海岸を通る道のできたての街路樹が美しい。マックスバリュー手前の店でカッター・ボンド・物干用の紐・ビニール袋(チャック付)など購入。ベスト電器(といっても、よく探さないとわからない間口の狭い電気屋)でソニー製ヘッドフォンを購入。iPod用に持ってきたイヤホン(苦手だけれども荷物を小さくしようとして失敗)がやっぱりすぐに落っこちるので、小さくて細いやつを購入。しかし失敗だった。
米原キャンプ場、少し離れた薮の中からは、謎の人の吹く笛の音が一日中響く。
挨拶だけかろうじてした寡黙なジャンボさんが夕日を見ている。雲が航空母艦なみの大きさのラグビーボールの形になって墜落して来る。お=物凄い色。ここにはこれを見に来たのだ。これを見るためにここにいるのだ。
暮れてしまうと、晩ご飯。
ひとりで食べるのはつまらないので、浜辺でぶらぶらしていた江口くんを誘った。
晩ご飯のアイデアその1。『浜辺で伝説の海水スパゲティ』
どこかで聞きかじった「海水は人間の体液の塩分の濃さと同じ」?「スパゲティをゆでる塩水の濃さも海水と同じ」だと。「海水でスパゲティを茹でるとすごくおいしい」と。
そしてここにある見渡す限りの素晴らしく透明な石垣島海水。
沖縄の塩と言えば、シママースとか云って今では都会派の食品店に行けば必ずあるのだから塩の中でも美味い方なのだろう!
期待に膨らんで「サイコー!サイコー!」江口くんの口癖出た。
「うみんちゅの塩」の原液を汲みにいく役は江口くん。たっぷり鍋一杯。ニンニクととんがらしを切って弱火で炒める。江口くんが思い出してテントから持ってきた「(つまみの)たね類」を一緒に炒めた。小鳥の餌のような種の詰め合わせ。カボチャとか松の実とかそんなもの。炒めて混ぜた。「沖縄塩マース」の元(海水)で茹でた。多分前にも書いたアーリオーリオ。
お味は、悲鳴が出そうなほど塩ガラいものだった。というか悲鳴が出た。喉がめくれ上がるようだった。ぐえ〜と低くくぐもった呻き。多分竹富島には届いてないと思う。
しかしふたりとも、うまいうまいといいながら平らげた。サイコーサイコーといいながら平らげた。
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