小学三年生である。日曜、昼過ぎに鎌倉駅までG家を迎えに行った。
会ったときは照れてしまって、父の後ろに隠れて挨拶も出来なかったのが、「駅に日本一おいしいソフトクリーム屋がある。」と教えたあげたら、満面の笑顔になってすぐにうち解けた。
うちで水着に着替えて、浜まで歩いて海水浴。風は涼しいけれども水はもうずいぶんぬるい。水に入っていないと体が冷える。
娘がゴーグルを欲しがったので、Gちゃんの奥さんが買いに行った。サーフショップで聞いたら薬屋にあると教えてくれてそこで買えたらしい。その薬屋には海水遊びグッズが何でも揃えてあるらしいのだが、まだシーズン前なので奥の方からほじくり出してきてくれたという話だった。
サーフショップのにいさんも「変な店でしょ」と紹介してくれていた、と言っていた。
そしてそのとおり変な店だったらしい。
本日は身を入れてイラストに打ち込む予定だったが、G家が帰ってからはくたびれて夜中まで昼寝してしまい、起きてまたすぐ寝て結局今朝ですから、何ごとも進展無し。
娘のみならず、子供は海辺に解き放った瞬間に、もう無意味に無限に遊びを開発しはじめる。波の中で何を面白がっているのかわからないし、砂を積み上げては崩して何を作っているのかわからない。けれどもとにかくこちらの話などひとことも聞こえないくらい夢中になっている。
そういう姿を見ていて、子供にはこちらから意味や理由のある遊びや仕事や勉強を与えすぎてはバカになるなあ、と、思った次第であるけれども、くれぐれもこういうつぶやきは参考にしないように。
あまりにも際限なく遊ぶので、半ばひきづるようにしてうちに引き上げた。波打ち際には最後に「パンダプール」なるものができあがっていた。満ち潮で流れてしまうよ、と言われたが、プールの底に穴を開けておいたので、波などどれだけ押し寄せてもすべてそこから排水されてしまうらしかった。
手に「はたき」のような形の昆布状のようなものを持って、帰っていった。