「Wacken」というバンドがあるかどうかは知りませぬ。
日曜日の代々木公園の立派な桜の木の下でお花見をしました。木の枝には「Wacken」という黒字に白抜き、牛の骸骨(!)マークの旗をなびかせてパーティー。外国人半分、黒いシャツ黒い服黒いズボン、黒の親睦会。ひょっとしたらロッカーではなくてハーレーの珍走隊かも?そして誰もがやるのと同じようにラジカセでですメたるをかけている。
俺たちはアウトローだぜ。怖いモノなんてなにもない。
(「なんて」と入るのが愛嬌なんだな。)
ドブネズミのスーツ野郎を蹴散らして稲妻と地獄目指して走るのさ〜♪
そういう歌をテーマにしそうな真っ黒な連中だった。
そうでなくとも日曜日の代々木公園は叫ぶ連中や、歌う連中、踊る連中でいっぱい。
うるさいうるさい。
人の営みとは関わりなく、桜は静かに枝を広げて満開に咲いている。乱れていると形容しても良いほどだった。
牛の骸骨…。どういうセンスなの?センスはひどくても好みは自由。
昔自分の書いた話のタイトルに似ている?ひどくがっかり…。
そんな連中の隣に座をとった我々が間違ったのかも。
でもね、お弁当を広げて乾杯して、ささやかだけど愉しいかわいい我がパーティー。
酔っぱらって桜に登り出す白人。年を経た桜の登りやすそうな立派な枝振りは無邪気な心を刺激する。
そのうち雨が降り始めたから、登れるのをいいことにブルーシートを枝に張り始めた。三十人ぐらいいて誰も何も言わないのは自由主義だから?
ぼくは桜を観に来ているのに、視野にあんなモノ張られちゃ見苦しくてかなわん。日本人のリーダーめいたヒゲの強面に文句を言いに行ったら「何が悪い、みんなやっとるじゃん」という。「雨が降ってきたから、濡れるじゃん。」
Wacken雨合の衆。それじゃ木っ端役人と同じだろう?
みんなやってると自分の組織を守る。仕方ないよね。仕方ない。
Wacken、屠殺場に連れて行かれ流れ作業で殺されていく牛の骸骨の旗。弱い者には威張れるだけ威張る。そういうありふれた虫。なるべく関わり合いにならないようにしたいもの。
そして桜に一番似合わないもの、それはビニールのブルーシート。