もしも港区南青山に来たら、ビリケンギャラリーに寄ってくれ。
(「もしも、ワイオミング州コディに来たらワイルド・ボブを呼んでくれ」の節♪で)
少女の元に海の向こうから手紙が届く。鳥やロケットが窓から飛んでくるし、引き出しのノートやご本は勝手に騒ぎ立てる。薄く開いた扉の向こうで怪しい猫が見張っているし、机の上に逃げた少女はなにを怖がっているのだろう。
南青山の路地に面した
ビリケン商会。懐かしい玩具やよりすぐり絵本の棚の奥にギャラリーがあって、12月27日までこやまけんいち展「箱絵本」の去年に続く第2回めが催されています。ぜんまいでカチャカチャ廻して扉を開くと、メロディーと共にはじまる童話世界。かわいいようでいてちょっと恐くて、懐かしいようでいてなんとなくさびしい。小さな細工の心象の玩具や文具や鳥やカバンやその他いろいろが、オルゴールの動力でクルクル動く。
ささやかだけどこんなに楽しい展示はなかなかないよ。運が良ければ作家本人がネジを廻して遊んでくれます。王様の馬と家来の全部がかかっても埋まらないようなクリスマスの心をあたためるには、この箱の中の世界がうってつけですよ☆
ただ、「ワイオミング州コディ〜」の『節♪』というのはありません。悪しからず。