ぼくには自分で育てた木イチゴを満腹になるまで摘んで食べる、という夢があった。それは子どもの頃の通学路で一度そんなことをやった追体験をしたいということだった。もう一度あんなふうに木イチゴをいっぱい食べたい。こっちに引っ越してきてから、その夢をかなえようとしてみた。
たぶん7年前、家の外の水道の脇にワイルドベリーとブラックベリーの木を植えた。どっちも実をつけず2年で枯れてダメになった。もともと果樹の育て方なんかまったく知らないから植えただけで、なにか肥料を少しやった程度の手の入れ方。日当たりもよくないところだった。
それから数年。去年、下の家の崖に木イチゴ発見。多分、買ってきた時に付いていたうちの木イチゴの実を鳥が啄んで、あの辺りで糞にしたのだろう。モリモリ実がなってたが、なにせ発掘中とはいえ他所の家。採りに行くのを憚られた。
そして今年。冬の終わり頃に発見した木イチゴの葉っぱが順調に育ち、春には花が幾つかついていた。実をつけるかどうかが心配だったけれども、昨日、突然黄色くなっていて歓喜。自分で育てたわけでもないし、腹一杯とはいかないが、これはひとつ夢の実現。とにかくうれしい。
しかしハシゴ届くかな?ヤマユリちゃんの上の方。
なんとか完熟するまで鳥から逃れて頂戴。