ユリオくんはこの頃毎日窓から外を見ている。それはなぜかというなら、ラジヲくんが毎日リード付きで外に出ているからです。
ラジヲくんはリードを付けても平気で歩きますが、ユリオはなぜか紐がついた途端に身体がへたばってしまって、地面を這うようにしか動けなくなります。まあ慣れというのもあると思いますが、そんな状態なのでユリオは散歩させないのです。
が、ラジヲを帰したあとユリオがリードにじゃれていたので、試しに家の前に繋いでいた。そこに竹の子取りから戻ってきたWさんが通りがかって、他人になれていない猫、慌てふためき上へ下への大暴れ。リードの止めプラスチックがいとも簡単に外れて韋駄天もかくや!走って逃げた、家の裏。
これはまずいので妻を呼んで挟み撃ちにしようとしたが、するりとかわされどこかへ飛んでった。
鷹揚な性格のラジヲはこんな感じなんだけどな。
もうどっち行ったかわからない。右なら急な登り階段の道、まっすぐなら幾つかの住宅と竹藪、ひだりなら新築中の家、斜め左は駐車場とその先にアパート。うううう〜〜。
それが午前中のことだった。夕方までどっちの方角へ行ったかさっぱりわからなかった。
ラジヲは家の中でいつもならずっと寝ているのに、なぜだかそわそわ起きている。日暮れ近くなりなんとなく鳴き始めたら、ユリオがどこやらで応えて鳴いている。石段の上の家の裏の崖の方。見に行ってみると知らないうちに二軒が空き家になっていた。驚いた。
ラジヲが鳴くとどこか遠くでユリオが応える。そういうのを5時間ぐらい。声の方に行って懐中電灯で照らして、ようやく姿を確認したので一旦ホッとしたものの寄ると逃げる。どこに隠れるのかさっぱり捕まえられない。人が呼んでもまるで応えないしラジヲもだんだん疲れたのかあまり鳴かなくなった。ユリオの応答もだんだん弱くなってきた。このまま明日に延長戦?しかしこのままじゃのんびり眠れない。
みんな右往左往しているのがうざいのか、我関せずの孤高の存在、長生き表彰状のミノルジョー様が登場。唐突に「ウギャーーー!(訳・たしけて〜)」と窓から鳴いたら再びユリオが応えた。応えたばかりでなく階段を下りてきた。
かくして開けておいた窓に飛び込んだところを捕獲。流石のミノちゃん。
【教訓】ユリオの場合は、人の姿を見せちゃダメだ。呼んでもダメだ。
戻ってからしばらく興奮状態。肛門腺が出っぱなしで臭い。
ラジヲはずっと呼びかけていたのだが、どうやら帰って来た猫が「当てが外れていた」らしく、「おまえじゃない」とフーフー怒りながら寄るな触るなで逃げ惑う。ユリオはニイチャン、ニイチャンで追いかける。たちまち追いかけごっこ&喧嘩。
さすがにラジヲも賢くてずっとユリオを探しているのだ、こんなにいなくなった猫を心配する猫ははじめてだ、と思ったのがまったく間違いだった。じゃ、誰を呼んでいたんだ? ともかく、今朝はまた通常活動。オラオラのちんぴらユリオくん、じゃっかんマタタビの葉っぱでドーピング中の写真。