アキツケ猫の、春の遊び場をキャンセルされた崖の踊り場をよく見たらふきのとうが出ていた。出ていたでいいんだろうか。今年はふきの葉っぱが伸びたまんまだからダメだろうと思っていたが、出てた。
この踊り場はアキツケの一番楽しみにしていた場所。いわばアキツケ魂の踊り場と呼んでも過言ではない。その魂のしみ込んだ土の滋養で萌え出ていたふきのとうなので、これも魂のふきのとうと呼んで過言ではないだろう。
昨晩、天ぷらにしてパクパク食べた。これでアキツケはぼくらの体の中。
三つしか採れなかったので、いくらか買い足した。ついでにキスの天ぷらもと妻は思ったらしいが、魚屋に無かった。代わりに穴子があったので穴子のふわふわ天ぷらとなった。
崖で採れたふきのとうはまだ閉じたままの姿で味も少々弱めだった。買ってきた方は少し開きかけていてえぐみや苦みがちょうど良かった。これからはもう少し開くのを待つことにしよう。
春 に 来 ぬ 猫 を 待 ち つ ふ き の と う
紅 梅 の モ ノ ク ロ ー ム 春 の 色 は 灰 の 色
春の風が窓からふわりんとしみ込んでいい匂い。いい感じ。ああおいしかった。