昨晩の木枯らし一号、今日は急に寒くなった。
虫の声というか虫の音というか、コオロギの鳴き声。秋も半ば過ぎて昨日はそれでも何匹かめいめい勝手にリリリンと鳴いていたけれども、さっき開いた窓から聞こえてきたのが弱々しいただ一匹の歌だった。
夏の間はもう本当にやかましい虫の声とも、今期もそろそろお別れなのかと思うと紅葉などよりもさみしくなる。そういえばわっさわさの藪も、先だってリッキーの墓を掘るときに草を刈ったらそのまま盛り返さずに隙間が増えてきた。
先週末は実家に帰った。
日曜日に弟の運転で母と常滑の海へ海のものを食べに行った。常滑で高速を降りて伊勢湾側をドライブしてもまるで海鮮ものの食堂がない。海を見ると遠浅で海苔の養殖場が広がっている。曇りの海は暗くて寂しい。知多半島を横断して三河湾側に出て走るうちに市場があった。
以前、冬の敦賀の海産物市場で蟹を買ってきたらカスカスのスカスカで大変まずかった覚えがあるので疑惑が湧くけれども日も暮れてきたし仕方がない。市場の中の食堂で刺身定食を頼んだ。ぼくは東京に住んでいた頃、三ノ輪の魚屋で薦められて食べたシャコが忘れられないのでシャコとホウボウの刺身定食にした。あそこの魚屋で薦められたものはすべて自然と喜びが溢れ出るようなおいしさだった。
最近、主人が鬱病だという噂を聞いたけれどもどうなっただろう。
見本の写真ではシャコが皿に七匹も乗っかっていたから、こんなに出るのかな?と思っていたら15 匹出てきた。この甲殻が剥きにくくて難儀した。どうやっても寿司屋のシャコの仕事のキレイさにはほど遠い。寿司職人をあらためて尊敬。味は、かまぼこを食べているような感じで特にどうということはなかった。
やっぱりおいしいものは東京にあるな。