その案内状には「たとえひとりで演奏していても僕の後ろには幻の楽隊の隊列が連なっているのだ。その音が聞こえてくるのだ。」と書いてあった。
あがた森魚60周年コンサート。ここ三年ぐらい、僕の観てきたあがたライブのほとんどは弾き語りか、多くて三人編成。バンドがついたのは二回か三回ぐらい。去年は日本全国70カ所のほぼひとり弾き語りツアーを敢行。
それが昨晩は10人以上の楽隊つきなのに、いつもそうやって歌っていたかのようになにも違和感がない。動きにためらいがあるとかステップがぎくしゃくするとか、そういうことは一切なくて、毎日そういう楽隊と一緒にやっている、だから今日も一緒に歌うんだ。まったくそうだった。えらいやっちゃ。
九段会館はステージに鉄骨の虹がかかっていて、素敵にアンティークなホールだった。その天井に近い席で、いつもは近くでしか観られないあがた森魚を遠くに見ることが出来てとても楽しかった。
先週、ライブを見逃した駒沢裕城さんのスティールギター大活躍。バンマスの武川さんもブラボー。
矢野顕子さんが加わると、ステージの空気の先端が矢野顕子さんから出てくる感じになる。『たそがれる海の城』はCDではデュエット曲だったので一緒に歌ったら良かったのに、それが少し残念だった。
浜口茂外也、久保田麻琴、かしぶち哲郎、渡辺勝、本田信介、和田博巳、鈴木慶一、それから10人ぐらいのコーラス隊。初期あがた森魚のアルバムを何度も聴いてリーフレットを眺めた人には泪の出そうな楽隊だった。
加えてバカボン、ベースうめ〜〜〜! 緑魔子さんが出たときは本物か?と我が目を疑った。遠いのではっきり見えなかったけれど、あがたさんちゃんと紹介しないんだもん。その他イトケンさんとバンドネオンの人も紹介がなかった…。
けれども、20世紀わんだふる〜〜なコンサートだった。
帰りのホールではいろんな人を見かけた。
美人の緒川たまきさん!るりちゃん!玄ちゃん!イトケンさん!あ、イトケンさんは出演だ。
ガンちゃん!天野天街さん!あと友人の知人の画家の方々。
驚いたのは川口さん!某掲示板でMさんは川口さんから「カリフォルニアで行けないから」という理由でジェフ・ベック&クラプトンのチケットを譲られたとあった。
「あれ?川口さんかるふぉるにあ〜?」
「いやぁ〜〜、トンで帰ってきた。ベックもアカデミー賞も振ってあがたです〜」と髭の中で大笑い。
えらいやっちゃぁ〜〜。
いやいや、自分で手拍子を観客に振っておいて、なぜかリズムの裏みたいなところで歌い始めるあがたさん。バンドと観客を一瞬で焦らせる!汗が吹き出た仰天した。僕の勘違いでなければ!
すげ〜〜!とんでもなく、えらいやっちゃ〜〜!いまにはじまったことではないけどーー。
追伸*
川口さんが「アカデミー賞も振って」と言っていたのの意味が判明。
川口さんの所属する栗コーダーカルテットの近藤氏が音楽を担当した加藤久仁生監督「つみきのいえ」が、米アカデミー賞短編アニメーション部門を受賞!したそうです。おめでとう〜〜。えらいやっちゃ〜〜!